仏サルコジ前大統領の身柄を拘束7月1日 21時47分
フランスのサルコジ前大統領が、7年前の大統領選挙で、みずからの陣営が選挙資金を受け取ったとされる事件に関して、捜査関係者から情報を違法に受け取った疑いなどで身柄を拘束されました。フランスの大統領経験者が身柄を拘束されるのは初めてです。
フランスの複数のメディアによりますと、サルコジ前大統領は初めて大統領に当選した2007年の選挙で、みずからの陣営が国内の富豪から選挙資金を受け取ったとされる選挙違反事件に関連して、検察当局の幹部から裁判に関する情報を違法に受け取った疑いが持たれています。
サルコジ前大統領は、情報を受け取る見返りにこの捜査幹部に新たな地位を約束したということで、1日、影響力を行使して機密情報を漏えいさせた疑いでフランスの捜査当局に身柄を拘束されました。フランスの大統領経験者への事情聴取はこれまで任意で行われており、身柄を拘束されるのは今回が初めてです。
フランスの法律では、サルコジ前大統領に対して最大48時間の拘束が可能で、その後起訴するかどうかを判断することになります。
サルコジ前大統領は次の2017年の大統領選挙の有力候補とみられていただけに、フランスの政界に大きな衝撃を与えています。
複数の疑惑浮上で事情聴取受ける
サルコジ前大統領を巡っては、おととしの大統領選挙で現在のオランド大統領に敗れてから、選挙で違法な献金を受け取った疑いなど複数の疑惑が浮上し、捜査当局の事情聴取を受けてきました。おととし7月には、当選した2007年の大統領選挙で違法に選挙資金を受け取った疑いがあるとして自宅や事務所への捜索を受け、その年の11月には司法当局に召喚され任意での事情聴取を受けています。
この事件について司法当局は去年10月、サルコジ陣営の関係者らについては裁判を始めることを決める一方で、サルコジ前大統領については証拠が不十分だとして刑事責任を問わない決定を下していました。しかしその後も2007年の選挙で当時のリビアのカダフィ大佐から多額の選挙資金を受け取っていた疑惑が浮上し、その捜査の情報を違法に入手しようとした疑いなどで捜査が続けられてきました。
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