香港返還から１７年 市民が大規模なデモ

7月1日 22時18分

香港は１日、イギリスから中国に返還されて１７年となり、香港政府が中国本土との関係強化に意欲を示した一方、大勢の市民はデモ行進を行って中国政府に香港の自由な社会を尊重するよう訴えました。

香港では１日、香港政府が中国政府の代表などを招き、中国国旗を掲揚する式典を行って返還から１７年を祝いました。香港政府トップの梁振英行政長官は式典で、「香港と中国本土が理解し合えれば、互いに補い合い利益を得る関係をさらに発展できる」と述べ、中国本土との一層の関係強化に意欲を示しました。
一方、香港では、中国共産党の一党支配に批判的な市民団体がデモ行進を行い、大勢の市民が参加しました。
香港では高度な自治を認めた１国２制度が続いていますが、中国本土の観光客とのトラブルが増えたり、香港メディアで共産党に批判的な言論が減ったりして、中国本土の影響力の拡大に警戒感が広がっています。
デモの参加者は「中国政府の威嚇を恐れないぞ」などとシュプレヒコールを上げながら街の中心部を行進し、中国政府に香港の自由な社会を尊重するよう訴えました。
１８歳の女子高校生は「中国政府は香港の高度な自治や１国２制度を守らなくなりました。政府の不当なやり方に対する抗議の声を表明したい」と話していました。