集団的自衛権行使に関する「閣議決定」は米国の戦略に沿うものであり、日本国は東アジアにおける米国が要求する軍事的な役割分担を積極的主体的に担おうとしている。
安倍政権は一部の大切な支持者であるカルトなネトウヨの支持をつなぎ止めつつ、それらの役割を担う体制をつくりだすために尖閣諸島の領土問題を煽り島嶼防衛を喧伝し自衛隊の配備を進行している。
同時に、沖縄における「長期的に持続可能な米軍のプレゼンスを確かなものとする」ために辺野古新基地建設に邁進する。
憲法違反の「閣議決定」と辺野古新基地建設工事着手の7月1日
集団的自衛権行使を「閣議決定」だけでなしえるというのは、いくらなんでも憲法を蔑ろにしすぎであり、このまま進められるはずはない。憲法9条2項は日本国に「交戦権」を認めていない。合憲とされてきた「自衛権」行使でもなんでもない集団的自衛権の行使は憲法違反である。
辺野古新基地建設工事の着手と、解釈壊憲の「閣議決定」が7月1日に同時に行われた。*1
外務官僚たちが絵を描き主導して始まったこの動きは、かなり危険な戦争ビジネスへの突入である。
しかし、ことはそう簡単にはいかないし、いかせてはいけない。
「閣議決定」そのものへの違憲訴訟も起こるだろうし、これから整備される関連法もすべてことごとく大本が違憲なのだから認められないと抵抗し違憲訴訟も含め戦われるだろう。
辺野古新基地建設も陸域も海域も具体的な工事進捗とともに反対運動も激化するし、沖縄の民衆が長い年月をかけて培ってきた国際的ネットワークを通じて世界に向かって情報発信され批判的注目を集めることになる。市民は、日米の思惑通りにコトが進まぬよういくつもの障壁をつくることができる。
そうこうしているうちに11月の沖縄県知事選挙である。
県民は1998年以降、この問題で揺さぶられ揺れ動きながらも、無条件で新基地建設を容認する候補者を自民公明でさえ擁立できない状況をつくってきた。そう、つくってきたんだ。
公明党沖縄県本部がどう判断するか予断を許さないが、現段階で集団的自衛権行使にも中央とは真逆の危機感を持って県議会での「慎重審議を求める意見書」に賛成している。*2
仲井眞沖縄県知事の公約を違えた埋立承認の追認などできる状況にはなく、直接辺野古新基地建設に絡まない市町村長選挙なら自公選挙協力はあり得ても、県知事選挙のハードルは高い。
今年の県知事選挙が重大な岐路であることについては、言葉では尽くせない。
政府による主権者への同時多発テロ
集団的自衛権に関する「閣議決定」、県民大多数が長年反対し続け拒否する「辺野古新基地」の建設、そして「二正面作戦」などとふざけた用語で政府関係者が名付けた「高江オスプレイパッド」の同時着手*3。これらは、政府による主権者への同時多発テロなんだという認識を持って、しっかりと抗い政府の妄動を阻止しよう。
取り急ぎ
了
*1:【電子号外】辺野古移設に着手 既存施設解体始まる(琉球新報7月1日)
*2:そう、ちょうど昨日の沖縄県議会でのこと。…県議会「強く抗議」集団的自衛権行使容認で意見書(琉球新報7月1日)