集団的自衛権:公明地方組織なお不満…28日に懇談会

毎日新聞 2014年06月27日 23時50分(最終更新 06月28日 00時48分)

 公明党は28日、集団的自衛権の行使容認に向け、都道府県代表らを集めた「県代表懇談会」を党本部で開催する。山口那津男代表は既に容認方針を打ち出したものの、地方組織には「説明がまったくない」「来春の統一地方選に向けて支持者に説明できない」などの不満がなお強い。政府は7月1日に閣議決定する構えで、公明党にとって懇談会が意見集約の山場になる。

 ◇意見集約大詰め

 懇談会は、同党が集団的自衛権の行使容認に転じたことを与党合意前に地方組織に説明するため、急きょ設定された。党所属国会議員や都道府県代表らが出席し、質疑を行う予定だ。同党関係者は「地方組織は情報が届かず『ガラパゴス状態』だ。懇談会は当然紛糾するだろう」とみる。関東地方のある県幹部は「憲法解釈変更の容認をどう説明し、党員の理解を得るか不安だ」と漏らした。

 山口氏は27日夜、和歌山市の党会合で支持者らを前に講演。「私は集団的自衛権に断固反対だった」と述べつつ、閣議決定案について「日本を守るための武力に限られ、やむを得ない。限りなく個別的自衛権に近いものは認めてもいいのではないか」と評価し、集団的自衛権の行使容認に転じた党方針に理解を求めた。懇談会で反対意見が出ても、行使容認の方向が変わる可能性は低い。

 実際、与党協議を踏まえた公明党内の会合は27日も開かれたが、反対論は減少。行使容認を前提に、「限定」を厳格化するよう求める意見が目立った。

 一方、党執行部は席上、国連の集団安全保障のもとでの武力行使を閣議決定には明記しないと説明した。しかし、政府が集団安保での武力行使を視野に入れていることが想定問答集で明らかになったため、出席者からは「どうなっているんだ」と執行部や政府側出席者を追及する声が上がった。【高本耕太、水脇友輔、入江直樹】

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