──
ホメオパシーの問題で、「ホメオパシーは悪だ」と語る風潮がある。特に、わが子にホメオパシーを強制する親を批判したり、妊婦にホメオパシーを施して乳児を死なせた助産師を批判したり、さらにはホメオパシーそのものを批判したりする風潮がある。
こういう例では、批判者は、鼻高々であることが多い。
「あいつは悪だ」
というふうに批判して、
「正しいことを語る俺様は、正義の味方だ。パンパカパーン」
と自惚れて胸を張っているようだ。
しかし、そういう自惚れた正義感は、方向違いだ。
──
この件に関しては、前にも述べた。再掲しよう。(一部抜粋。)
これらに対して、事実関係を明らかにすることは、大切だ。しかし、信者を攻撃することは、あってはならない。信者は、被害者なのだから。──
エコやホメオパシーで儲けようとしている業者を攻撃することは正当だが、エコやホメオパシーを信じている被害者を攻撃するべきではない。なすべきことは、攻撃ではなくて、救済なのだ。
( → ホメオパシーとエコ )
ホメオパシー批判者の多くは、ホメオパシーを実行する人々を「悪だ」と見なす。では、悪とは何か? 次のように定義できるだろう。
【 悪とは 】 他人に損をさせて、そのことで自分が利益を得ること。
たとえば、泥棒、強盗、詐欺などだ。これらの例では、上記の「悪」の定義が、まさしく当てはまる。
一方、競馬やパチンコのようなギャンブルとか、宝くじとか、そういうものを買い続けて、損をすることは、悪か? これらは、ホメオパシーのレメディを買うのに似て、下らないことのために損をしている。
だが、これらは、悪ではない。なぜなら、他人に損をさせてはいないし、自分で利益を得てもいないからだ。自分で自分に損をさせているだけだからだ。
このような行為は、「悪」ではなく、「愚行」なのである。
そして、ホメオパシーを信じて損をし続ける人々もまた、「悪」というよりは「愚行」に相当する。
──
助産師はどうか?
上記の定義では、まさしく「悪」に合致する。しかしながら、助産師本人は、それが妊婦の利益になると信じていたのだ。「妊婦に損をさせよう」(乳児を死なせよう)と思っていたわけではなく、「妊婦に得をさせよう」と思っていたのだ。ただし現実には、妊婦に損をさせた。そこには「錯誤」があったことになる。
このような行為は、純粋な悪というより、結果的な悪に相当する。そして、この場合には、「悪をなすな」と言っても、無効であることが多い。なぜなら、やっている本人は、悪をなしているつもりはないからだ。むしろ、善をなしているつもりだからだ。
そして、このことは、ホメオパシーを信じる一般の信者にも当てはまる。彼らは、「錯誤」ゆえに、「自分に得になる」と思って、自分に損をさせてしまっているからだ。
その「錯誤」は、助産師の場合と、同様である。
──
だから、ホメオパシーの問題を解決するには、「悪をなすな」と述べても無効であり、「錯誤をなすな」と述べる必要がある。
ところが、世間の論調は、そうではない。たとえば、朝日新聞のサイトは、次のようなシリーズを書く。
→ 信じる前に疑いを
(科学的な真実はこうだ、という話。)
これは見当違いだ。
ホメオパシーをやっている人々に「疑いを」と言うが、疑うぐらいは、誰だってしたことはある。また、「疑え」という声を聞いたこともある。なのに相手を、「疑うことも知らない幼児並みの知性の持主」と見なして、「疑うことをしなさい」と諭すわけだ。(偉そうに。)
しかし、相手を馬鹿にするのは、よした方がいい。そういうふうに、相手を馬鹿扱いして、自分を利口扱いするのは、唯我独尊だ。そんな侮辱表現だから、耳を貸してもらえないのだ。
朝日のサイトのコメント欄から引用すると、次のような指摘がある。
朝日新聞などによる批判は
1.ホメオパシーを信頼しすぎたための事故が発生している
2.ホメオパシーの効用は客観的に証明されていない
3.ホメオパシーの作用には科学的根拠がない
という3点セットとなっています。
しかし、このような形で述べても、ホメオパシーをやっている人々は、「ああ、またか」と思うだけだ。「自分たちを馬鹿扱いするのは、うんざりだ」と思うだけだ。
──
では、どうすればいいか? それは、先に述べたとおりだ。つまり、ホメオパシーをやっている人々を「馬鹿者」と見なすかわりに、「被害者」と見なすべきなのだ。「錯誤をした愚か者」と見なすかわりに、「錯誤をさせられた被害者」と見なすべきなのだ。
そうすれば、
「頭の悪い馬鹿者に、科学的な真実を教えてやる」
という尊大な態度を語るかわりに、
「運悪くだまされた被害者に、詐欺師のだまし方をあからさまにする」
というふうにするはずだ。(詐欺師の手口の暴露)
つまり、そこには、攻撃的な非難よりも、優しい共感・同情があるはずだ。(現実には、そういう態度の人は、ほとんどいない。)
──
では、詐欺師の手口の暴露とは、何か?
たとえば、客を相手に、次のように説明するといい。
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ここで、客が「左」と言えば、左を開けて、左に入っていることを示す。
客が「右」と言えば、右を開けて、右に入っていることを示す。
こうして、詐欺師は、「詐欺師の予言が当たった」ことを示す。
ただし、本当は、ボール ● はもともと、双方のコップのなかに入っていたのである。こういう形で、詐欺師は客をだます。
──
ホメオパシーも同様だ。
・ 片方のコップは「レメディ」と書いてある。
・ 他方のコップは「プラセボ」と書いてある。
客が「レメディ」の方を取ると、そこには必ず、ボールが入っている。
しかし、「プラセボ」の方にも、ボールが入っているのだ。とすれば、「レメディ」の方だけにボールが入っていたわけではない。にもかかわらず、「レメディ」の方だけにボールが入っていたように思わせる。
こういうトリックをしているのだ。
──
詐欺師はこういう形で、客をだます。ここでは、だましている方が悪いのであって、だまされた方が悪いのではない。また、だまされた人々が愚かだというわけでもない。だまされた人々は運悪く引っかかってしまっただけだ、と思う方がいい。
つまり、だまされた人々を批判するよりは、だました連中を批判するべきなのだ。そして、だまされた人々には、だました連中の手口(上記)を教えるべきなのだ。
( ※ 物事の真実を科学的に教えるというよりは、詐欺師連中のインチキの仕方を教えるべきだ。)
そしてまた、だました連中が「どういう形でだましたか」という手口だけでなく、「何のためにだましたか」という理由をも教えるべきだ。
では、その理由は? 金儲けだ。つまり、ただの水や砂糖玉を、高額販売することだ。その具体的なインチキ商法は、下記に示してある。
→ トラ子で学ぶ ホメオパシー商法
こういうふうに、詐欺の被害者に対して、詐欺師の手口や理由を教えるべきなのだ。
ひるがえって、「無知な馬鹿どもに科学的な真実を教えてあげる」という尊大な態度では、相手に拒否されるだけだ。あまりにも思いやりがないがゆえに。
──
助産師の場合も同様だ。妊婦にホメオパシーを施して、乳児を死なせた助産師がいる。これに関して、朝日新聞のサイトは、次のように書く。
「赤ちゃんは、治療法を選べません。日本助産師会は根本的に、この問題に対処すべきではないでしょうか。」
この文章は、きつい口調ではないが、基本的には、助産師会を非難していると読める。それはつまり「助産師会は悪だから、悪を反省せよ」という口調だ。
そして、こう語るとき、「自分は悪を是正する正義の味方だ」というつもりになっている。
しかし、このように「おまえが悪い、おまえは悪だ」と相手を非難して、「自分は正しい」「自分は正義だ」と威張るよりは、もっと思いやりをもつ方がいい。
助産師は確かに妊婦に被害をもたらしたが、妊婦に被害をもたらそうとしたわけではない。妊婦のためになると思って、そうしたのだ。ここでは、助産師もまただまされているのだ。
助産師は乳児を死なせようとしたわけではない。なのに、「死なせようとするな」「死なせるな」と相手を殺人犯扱いするのでは駄目だ。もともと殺すつもりなどはなかったのだから。
では、どうするべきか? ここでは「だまされるな」と語るべきなのだ。そして、「殺したことを反省せよ」と詰るより、「だまされて加担者になったことを反省せよ。そして今後は改めよ」と方針転換を促すべきなのだ。
そのために、マスコミがなすべきことは、何か? 「愚か者よ、真実を知れ」と告げるよりも、「被害者よ、もう詐欺師に引っかかるな」「加担者よ、もう詐欺師にだまされるな」と語ることだ。……こういうふうに語れば、そこには思いやりがあるがゆえに、被害者や加担者も受け入れやすい。
──
なお、オマケで一つ、重要なことを述べておこう。
ホメオパシーを信じる人々は、愚かなのではない。その背後に、「藁にもすがる」という心理がある。とすれば、そこには、大きな健康上の悩みがあるはずなのだ。
ホメオパシーにすがりつく人は、ホメオパシーにすがりつく前に、何らかの健康上の問題があったはずだ。それは現代医学では治らなかった。だからホメオパシーに走った。 * ……そういう「他人の苦しみ」を洞察する心が必要だ。それは同情や共感のようなものだ。
そういうものなしに、ホメオパシーの信者を「馬鹿者」「愚か者」と批判する人は、他人を批判する前に、自分の顔を鏡で見た方がいい。
* この件は、次々項 で述べる。
[ 付記1 ]
朝日新聞がホメオパシーの人々を馬鹿扱いするのは、お門違いだとも言える。なぜなら、エコキャップという問題では、朝日新聞そのものが、人々をだます側になっているからだ。
エコキャップでは、被害者に損をさせることで、エコキャップの協会の人々が利益を得る。他人に損をさせて、自分が利益を得る。……これは、上記の「悪」の定義にぴったりと当てはまる。エコキャップは正真正銘の悪なのだ。(その点では、ホメオパシーの業者と同様だ。)
そして、このような悪のために、人々にそのことを促すのが、朝日新聞であり、助産師だ。
・ エコキャップ協会のために、朝日が推進して、人々が損をこうむる。
・ ホメオパシー業者のために、助産師が推進して、人々が損をこうむる。
どちらの場合も、加害者と被害者がいて、その中間に、加担者(朝日と助産師)がいる。
その意味では、朝日新聞も助産師も、「悪の手先」となっており、同等の比重がある。
にもかかわらず、朝日新聞が助産師会に偉そうなことを言うなんて、目くそ鼻くそのたぐいだ。
ま、朝日の例を聞くと、たいていの人は笑うだろうが、たいていの人だって、似たり寄ったりだ。「エコキャップ」だの、「レジ袋有料化」だの、「太陽光発電の補助金」だの、馬鹿げたことを推進しているのは、世間の人々も同様だ。その意味で、ホメオパシーの信者を、決して笑える立場にはない。
→ ホメオパシーはエコ主義だ
なお、「エコキャップ」「レジ袋有料化」「太陽光発電の補助金」……という一連の「エコ教」の問題点を指摘しているのは、たぶん、私ぐらいだろう。(あと、武田何とかという人もいるらしいが、科学的にかなり心許ないらしい。それでも著作は売れているようだ。私よりは、金儲けが上手ですね。 (^^); )
[ 付記2 ]
最後に一言。
「自分は利口だ」と自惚れている人々は、ホメオパシーの信者を馬鹿にし続けているが、たいていの人は、「自分もまた別の形でだまされている」と反省した方がいい。そうすれば、ホメオパシーの信者を馬鹿にするかわりに、共感や同情をもつはずだ。そして、頭ごなしにものを教える態度ではなく、もっと優しい態度でふるまうはずだ。
ホメオパシーの信者は、馬鹿者ではなく、被害者なのだ。彼らに与えるべきものは、知識ではなく、優しさなのだ。
そして、そういう優しさが欠けているがゆえに、弱くて困った人々は、優しい手を差し伸べてくれるホメオパシーの業者にすがりついてしまう。それが詐欺師の手だとは知らないまま。
ホメオパシーの信者がなかなか蟻地獄から抜け出せない理由は、彼らの愚かさにあるのではなく、ホメオパシーの批判者の愚かさにある。批判者が「自分は正しい真実を語っている」と思えば思うほど、「そこには優しさが欠けている」ということを見失う。そして、病に苦しんでいる信者たちは、真実の手をつかむかわりに、優しい手をつかんでしまうのだ。それが悪魔の手だとは気づかないまま。
ここでは、一番愚かなのは、ホメオパシーの信者ではなく、ホメオパシーの批判者だろう。知性ばかりがあって、人間的な優しさが欠けているからだ。
[ 余談 ]
ゲーテ「ファウスト」には、次のような場面がある。
悪魔が人々をたぶらかして、たがいいの鼻をナイフでちょん切らせようとする。(しかしその寸前で、夢から覚める。)
ここでは、悪魔にたぶらかされた人々は、愚かなことをなそうとする。そこでは、悪いのは、だまされた人々か、悪魔か?
これがつまりは、本項のテーマだ。
http://ameblo.jp/aromafitness/entry-10623864221.html
──
これを見てもわかるとおり、ホメオパシー批判者の声は、ホメオパシー利用者に心に、まったく届いていない。むしろ、馬鹿にされている。
「おれたちを馬鹿扱いするのは、うんざりだ。現代医療を否定するつもりなんかない。現代医療を、きちんと受け入れる。だけど、ホメオパシーもやり続ける。両者の併存こそ最善だ」
こう信じて、ホメオパシーをやり続ける。(ここまでは問題ない。現代医療を受けるのだから。)
ただし彼らは、ホメオパシーをやると称して、トラコパシーをやる。つまり、ただの砂糖玉に、高額な金を払い続ける。英国の例では、数百万円だ。
こうして、詐欺商法がのさばる。
それというのも、ホメオパシーの批判者は、「詐欺商法だ」とは述べないからだ。かわりに、「現代医療を否定するな」とばかり述べるが、そのあと、「ふん、そんなことはわかっているよ」と、鼻であしらわれる結果となる。
いくら正しいことを述べても、人の心に届かなければ、無意味なのだ。
「ホメオパシー信者批判者批判文」では無いでしょうか。
このコメントをオーナー氏に読んでいただくことを期待します。
そうですよ。まさしくその通り。
「ホメオパシーはトンデモか」
などの項目を読んでください。
私の狙いは
「ホメオパシー業者批判」
で一貫しています。最も悪いのは業者であり、だまされた人ではありません。だまされた人をいくら取り締まっても意味がなく、だます人を取り締まるべきです。
なのに、「だます人を警察権力で取り締まれ」と語るのは、日本中で私ぐらいでしょう。だから業者はいつまでものさばっています。
というか、私が「ホメオパシー業者を警察権力で取り締まれ」と主張すると、「おまえはトンデモだ。悪いのは信者だ」と連中が批判して、業者を警察権力で取り締まるのを阻害します。
こういう連中を私が批判するのは、当然でしょう。
かくて、ホメオパシー騒動が一段落したあとで、詐欺師は相も変わらず、のさばり続ける。
死者は今後もどんどん出るでしょう。
ホメは詐欺ではありません
使っている人には解り、使っていない人には解らない部分が多くあります。だから、誤解を生じるんです。
「擬を先に持つ人は、信を先に持つ事はない」
あなたは「擬」わたしは「信」という性格からくるものです。
日本人の大好きな(一部分かも)占いも非科学的なものだし、血液型による性格診断も非科学的と言われています。
しかしながら、大企業では血液型も人事に考慮することがあります。
そこには非科学的でも何かがあるような気がします(私はこの部分でも「信」)
今回の騒動は「助産師がK2シロップを・・・」ということから始まっていますが、たかが一人でしょ(当事者にはすみませんが)
現代医療ではK2シロップは義務ではありませんし、飲まなくても死なないケースが多いんですよね・・・でも今回はたまたま死んでしまった
ただそれだけの事・・・
もしも、「信」知りたいのなら、
虎穴に入らずんば虎児を得ず・・・
一度ためしなはれ・・・
ただの砂糖玉なら害もないはず
それを怖がるのも奇なり・・・
批判はそれからでも遅くはない
海外ではもっと安価らしいけどね
→ http://d.hatena.ne.jp/blueboy/20100818/1282131860
( トラ子で学ぶ ホメオパシー商法 )
なお、私はホメオパシーを部分的に推進しているので、お間違えなく。
→ http://openblog.meblog.biz/image/homeopa.htm
(無料ホメオパシー)
なお、無料ホメオパシーのアイデアと実施権を、あなたに激安で譲渡します。定価 1000万円のところ、格安の 100万円で譲渡します。
これによって、無料ホメオパ師の資格のレクチャーの開催権も得ることができますから、大儲けできますよ。
ですから私に、100万円送付してください。これは詐欺ではありません。ただの砂糖玉と違って、中身がありますから。 (^^)v
その論理が間違いだということは、あちこちで指摘されていますから、ネットを調べるといいでしょう。
ま、あなたも交通事故にあって出血多量で死にかけたら、ただの水(レメディ)にして死ぬか、輸血を受けて生きるか、決断ができるでしょう。
ついでですけど、トラコ学長の健康保険の履歴では、現代医学の治療を受けた履歴が山のように記述されていますよ。(推測だけど、まず間違いなし。彼女はすごく頭がいいから、馬鹿なことは自分ではしない。他人にやらせるだけ。)