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イタリア、ウルグアイ、イングランドに囲まれた「死の組」で、GL敗退は避けられないと思われていたコスタリカが、PKの末にギリシャを下してベスト8に進出。次はオランダ、彼らの冒険はどこまで続くのだろうか。
photograph by Getty Images
ブラジルW杯通信

勝ち抜くことで、急激に成長するW杯。
コスタリカの変貌に思う、日本との差。

戸塚啓 = 文

text by Kei Totsuka

photograph by Getty Images

 決勝トーナメントに入ると、グループステージとは違う驚きが待っている。

 スペインを完膚なきまでに粉砕したオランダの高速カウンターを、メキシコはほぼ完璧に封じ込んだ。しかも、リトリートしてスペースを消したわけではない。マルケス、ロドリゲス、モレノの3バックも攻撃時のポゼッションに加わり、敵陣まで侵入しながらオランダの強みを消し去った。後半からモレノに代わったレジェスも、果敢にボールを持ち出していった。

 ロッベンが得意とする右サイドからのカットインも、ファンペルシの左足シュートもメキシコは許していない。最終的にはロッベンの「個」の力に屈したものの、ベスト16で大会を去るのはもったいないほどの戦いぶりだった。

 3-5-2システムの機能性も高かった。「5」の両翼は何度でもアップダウンできる。セントラルMFのサルシドとエレーラは、局面に応じてCBにも攻撃的MFに姿を変える。中盤の左サイドを軸に活動するグアルダードは、サイドバックにもサイドアタッカーにもなる。その時々でゲームが求める表情を、メキシコの選手は巧みに使い分けるのだ。

 3-4-3でも4-2-3-1でも、このチームは高水準に表現できる。またしてもベスト16の壁を破れなかったが、6大会連続でグループステージを突破したメキシコの地力は、我々の代表チームがまだまだ及ばないものだ。

マルケスが教える「経験」、試合を左右する「若手」。

 35歳になったマルケスの健在ぶりは、「経験」という言葉の意味を教えてくれる。日韓W杯でジョゼップ・グアルディオラを彷彿とさせるパスセンスを見せつけ、その後FCバルセロナ(スペイン)でキャリアの黄金期を過ごした彼は、移り変わりの激しいモダンフットボールをしなやかに生き抜いてきた。

 攻撃では途中出場の選手が目を引いた。スーパーサブのハビエル・エルナンデスではなく、ハビエル・アキーノである。

 ビジャレアル(スペイン)に所属する166cmのMFは、1-0でリードした61分からピッチに立った。今大会初出場だった。

 試合を左右する局面で、若手をピッチに送り出す。日本なら投入がためらわれるシチュエーションではないだろうか。しかし、ミゲル・エレーラ監督はアキーノを送り出し、この小さなMFは試合の流れにスムーズに溶け込む。

【次ページ】 気がつけば日本の戦いに重ねている。

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