たばこ販売、規制強化 新規コンビニ「×」の可能性 「専売店の優遇」恨み節も
産経新聞 7月1日(火)7時55分配信
財務省が5月に打ち出した、たばこ販売の規制強化案が波紋を広げている。これまで条件付きで認められた既存店周辺における新規の販売許可基準を厳格化し、8月以降に出店を計画する一部のコンビニエンスストアは、たばこ販売が認められない可能性が出てきたためだ。コンビニにとって売上高に占める割合が高いたばこ販売の可否は死活問題にもつながる。専売店優遇ともとれる今回の措置に、関係者からは「民業圧迫だ」との恨み節もあがる。(宮田翼)
◆財務省案に波紋
5月30日開催の「財政制度等審議会たばこ事業等分科会」で、財務省は販売許可基準の見直し案を提示した。人口50万人以上の指定都市の市街地の場合、すでに立地するたばこ販売店の月間販売数量が1万5千本以上あれば、その100メートル圏内では新たなたばこ販売を許可しないとの内容だ。
これまで、同立地で既存店が“保護”された月間販売数量の線引きは「2万5千本」だった。基準を1万本も引き下げたことで、保護される零細店が増える。財務省は「近年のたばこ販売本数が低下傾向にあることも踏まえた」と説明し、規制強化が販売本数を押し下げる要因にはならないと強調した。
だが、既存のたばこ専売店の過剰保護ともいえる規制強化には「専売店に肩入れしすぎ」との批判も根強い。出店戦略を加速するコンビニ業界からは反発の声が上がる。
◆マグネット商材
「販売許可が下りない状況では、新規出店への影響は避けられない」
日本フランチャイズチェーン協会の伊藤広幸専務理事は警戒感を強める。たばこはコンビニ販売の約3割を占め、「ついで買い」で売り上げを伸ばすコンビニにとって、客足を呼び込む最強の“マグネット商材”だからだ。
少子高齢化や過疎化が進む中、「消費者の居住地に近いコンビニの社会的インフラとしての役割は高まっており、規制強化は買い物弱者の生活環境にも影響が出かねない」(伊藤専務理事)との懸念もある。流通アナリストからも、見直し案が「自由競争を阻害する」との非難が上がる。
今回の措置は、全国のたばこ販売店らが加盟する「全国たばこ販売協同組合連合会」(東京都港区)の要請を受けたものとされる。
財務省によると、たばこ小売店数は平成10〜24年の間に約2万7千店減少しており「コンビニの大量出店と、それ以上の専売店廃業という構図」(業界関係者)が続いているという。
見直し案は、意見公募を経て8月にも施行される予定だ。しかし、規制強化でたばこの販売本数が減る可能性もあり「結局は専売店保護にさえつながらないのではないか」(流通関係者)との指摘も出ている。
最終更新:7月1日(火)15時9分
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