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フェティッシュの火曜日 2014年7月1日
 

ランチパックを圧縮する

革新的イノベーション。
革新的イノベーション。
布団圧縮袋を知っているか。

ふかふかの布団をまるで板のように圧縮し、押し入れに効率的に押しこむことのできるあの袋だ。

ふわふわの物を…板のように…

それはパンにも使えないか。
安藤昌教 安藤昌教(あんどうまさのり)
1975年愛知県生まれ。行く先々で「うちの会社にはいないタイプだよね」と言われるが、本人はそんなこともないと思っている。
> 個人サイト むかない安藤 ツイッター

布団圧縮袋考えた人天才

布団圧縮袋の便利さといったらない。

ふわふわの羽根布団を板みたいに圧縮することができるのだ。体積を得している。そんな得、他にないだろう。我が家は布団から衣替えした服まで、ぜんぶ圧縮して収納している。これぜったい家の狭い日本人が発明したと思うんだけどどうなんだろう。
放っておくといつの間にか空気が入って膨らんでることが多いけど。
放っておくといつの間にか空気が入って膨らんでることが多いけど。
あの革新的なやり口、押し入れ収納以外にも利用できないだろうか。

たとえばランチパックである。
段階を踏まずに本題に入るね。
段階を踏まずに本題に入るね。
ランチパックはたいていパンパンの状態で売られている。平地でこそこの程度だが、気圧の低い場所、たとえば富士山のふもとのコンビニとか行くと、もっとはちきれんばかりのパンパンな姿で売られている。
平地でもこのテンション。
平地でもこのテンション。
聞くところによるとランチパックは窒素が充填されているので品質が長く保たれるのだとか。

そうか、あのパンパンにも意味があったのか。

だけど我々生き馬の目を抜くビジネスマンにとって、あの厚みは少々やっかいなものでもある。たとえばその名の通り、ランチとして会社に持参する時のことを想像してみてもらいたい。
きっとあなたのカバンはこうなるだろう。
きっとあなたのカバンはこうなるだろう。
中はほぼ窒素。
中はほぼ窒素。
これでは書類とか携帯とか、ビジネスに必要なものが入らないじゃないか。前に電車でかっこいいアタッシュケースをシュパっと開けて、中からジャンプとコーラを取り出したビジネスマンを見たことがあるが、ああなる(他に何も入っていなかった)。

そこで圧縮収納である。方法は偉大なる先輩である布団圧縮袋さんに学ぶ。
つまり掃除機を使うということだ。
つまり掃除機を使うということだ。
こういうおれしか買わないようなアタッチメントが売ってるんだな。
こういうおれしか買わないようなアタッチメントが売ってるんだな。
すきまを掃除するため、という先細りした掃除機用アタッチメントを用意した。これでかなり細くなったが、さらに使いやすさを考慮して先端部に曲がるストローを取り付ける。
実はストローを付ける前にすでにランチパック一つ無駄にしていることは触れない。
実はストローを付ける前にすでにランチパック一つ無駄にしていることは触れない。
布団圧縮袋は掃除機で吸った空気が戻ってこない逆止弁が便利なのだが、さすがにランチパックにあれを実装するわけにはいかない。

そこでパッケージの隅をぎりぎりの大きさでカットし、ストローを差し込み、掃除機オンで空気を抜くことにした。この時気を付けることは特にない。
見たままである。
見たままである。
ではいってみよう、誰か掃除機をオンにしてくれ。
ほぼ一瞬でこうなる。
ほぼ一瞬でこうなる。
「ギュイン!」という音の中に訪れる静寂。一瞬の出来事である。ランチパックも自分の身に何が起きたかわからないうちに圧縮されたのではなかろうか。
スイッチオンとほぼ同時にこのくらい圧縮される。すばらしい。
スイッチオンとほぼ同時にこのくらい圧縮される。すばらしい。
しかし本当の闘いはここからだった。圧縮された状態で再度封をしなければいけない。

逆止弁ではないため、ストローを引っこ抜くと同時に陰圧になっていたランチパックが元に戻ろうとして穴から空気が吸い込まれるのだ。その前に再度封をする必要がある。

これには困った。
いろいろ試してこの方法に行きついた。前後にあらかじめテープを仮止めしておき、ストローを引き抜くと同時に挟み込むようにして封をする。
いろいろ試してこの方法に行きついた。前後にあらかじめテープを仮止めしておき、ストローを引き抜くと同時に挟み込むようにして封をする。
上の方法でランチパックを圧縮することに成功した。おかげでパンパンだったかばんはというと。
さっきまでこうだったかばんが
さっきまでこうだったかばんが
こうだ。
こうだ。
こうだった中身が
こうだった中身が
こう。なんとこれで5個入っている。
こう。なんとこれで5個入っている。
コンビニのいちばん小さい袋にランチパックが5個入る。
コンビニのいちばん小さい袋にランチパックが5個入る。

せっかくのふわふわのパンを、という見方はいったん置いておく。ランチパックと名乗る以上、食感以前に持ち歩けるか否かだろう。山で道に迷った時にリックのポケットから圧縮されたランチパックが出てきた時のことを想像してもらいたい。そんな時あなたはぺしゃんこだから食べたくないわ、とでも言うつもりか。

この時点で僕としてはすばらしすぎて楽しくなっているのだけれど、こうして記事にするとどうも地味さが否めないな。

無理して他にも試してみるので、どうかこの面白さを理解してもらいたい。



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