赤字に陥った会員制交流サイト(SNS)大手、ミクシィの業績が急速に回復している。牽引(けんいん)するのはスマートフォン(高機能携帯電話)向けのゲーム「モンスターストライク(通称・モンスト)」の課金収入。昨年10月の提供開始から約9カ月で利用者は世界で900万人を突破し、大ヒットしたガンホー・オンライン・エンターテイメントのスマホ向けゲーム「パズル&ドラゴンズ(パズドラ)」に迫る勢いだ。ただ、浮き沈みが激しいゲームを頼みとする経営には懸念する声もあり、「次の一手」が早くも問われている。(フジサンケイビジネスアイ)
「モンストがパズドラをいつ抜くかを、個人投資家は頻繁にチェックしていた」。ゲームメーカー関係者はこう指摘する。モンストは5月15日、米アップルのアプリ(応用ソフト)サイト「アップストア」のセールスランキングで初めてパズドラから首位を奪った。
その後、ミクシィの株価は上昇傾向が続く。株式分割前の6月18日には一時、前日比2600円高の1万9640円を付け、2万円台に迫った。1年前の同じ日の終値(1456円)と比べ、ほぼ13倍だ。
ミクシィは13年4〜6月期に2億5300万円の最終赤字に陥り、業績悪化が表面化。SNSでは米フェイスブックに需要を奪われ、スマホ向け無料通話・メールサービスのLINE(ライン)など新興勢力の台頭も響いたためだ。
13年6月には創業者の笠原健治氏から朝倉祐介氏への社長交代に踏み切る。朝倉氏が打ち出した新規事業の一つがスマホ向けゲームだった。モンストは4作目となるスマホゲームだ。
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