2014年7月1日10時39分
●生業訴訟原告団が知事らに要請書
東京電力福島第一原発事故で原状回復を求めている「生業訴訟」の原告団(中島孝団長ら2579人)の代表や弁護団ら48人は30日、佐藤雄平知事と県議会全6会派に要請書を提出した。秋の知事選を前に「国と東電の法的責任を前提とした被害救済に取り組むこと」などを訴えている。
要請書は、県や県議会に対して(1)「年間20ミリシーベルト以下の被曝(ひ・ばく)は住民の権利侵害にあたらず、原状回復には費用がかかり1企業の手に負えない」などと主張する東電に撤回を働きかける(2)東電が事故前に試算していた津波被害の全データの速やかな開示を求める(3)環境省が提案している除染目標の空間線量の実質的緩和に反対する――ことなどを求めている。
要請に対し、佐々恵一・県生活環境総務課長は「原発を推進してきた国にはその責任を果たすよう求めている。除染の長期目標も年間1ミリシーベルトを堅持すべきだとの考えは変わっておらず、国にも要望している」などと回答した。
要請後に記者会見した弁護団の馬奈木厳太郎事務局長は「生活や生業を事故前の元の姿に戻せという裁判の中身は、県政の重大な課題だ。秋の知事選に間に合うよう今、申し入れた」と説明した。