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【首都圏】歌手の横井さん 秘密法廃止や原発ゼロ訴え 11日コンサート
社会派シンガー・ソングライターの横井久美子さん(70)が月に一度、金曜日夜の首相官邸前近くで安倍晋三首相の政権運営を批判する「一人歌い」を続けている。横井さんは「沈黙は共犯。一人でも声を上げる大切さを感じてほしい」と話している。 (砂上麻子) 「何いってんだ ふざけんじゃない 原発なんていらない」「何いってんだ ふざけんじゃない 憲法を変えようなんて」 二十日午後六時半すぎ、往年のポップソング「ラブ・ミー・テンダー」のメロディーに合わせて歌う横井さんがいた。官邸前で抗議する人たちが行き交う歩道沿いの壁を背にし、ギターで伴奏する。夕闇の目の前には国会議事堂が立つ。立ち止まる人は少ないが、「寂しくはない。自分の思いを吐き出す壮快さがある」。一時間近く、プロテストソングなど十曲を歌い続けた。 横井さんは名古屋市出身。国立音楽大を卒業後、行動する歌手としてニカラグア、チリ、南アフリカなどを訪問。「原爆訴訟」「薬害スモン」の現場に出かけ、歌をつくり、社会に問いかけてきた。ベトナムの枯れ葉剤被害児との交流やネパールで子どもにギターを教える音楽支援も行う。 一人歌いを始めたのは昨年九月から。前月の八月、友人とともに官邸前抗議集会に参加した時、国会議事堂前でギターを弾きながら歌う二十代の青年に出会った。耳を傾ける人がいなくても、国の中枢機関に向かって歌う姿に「誰かが聞いていなくても、国民として意思表示をするべきだ」と強く心を打たれた。 原発再稼働の動きや特定秘密保護法の制定、さらに集団的自衛権の行使容認など安倍政権の「暴走」(横井さん)が続く今、「黙っていることは、その政策を認めることになる。同じくここで声を上げる人が増えていってほしい」。 七月十一日の金曜日には夕闇から明るい舞台に立つ。午後六時半から東京都国分寺市立いずみホールで「原発ゼロに! 秘密保護法を廃案に!」と題してコンサートを開く。日本初の野外フェスティバル・中津川フォークジャンボリーを企画・制作した笠木透さんと歌い、語り合う。 横井さんは「この国の行方を少しでも明るくする力になれたら」と言う。 問い合わせは、横井久美子事務所=電042(573)3465=へ。 PR情報
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