集団的自衛権 中国は歴史認識と絡め反対7月1日 8時29分
政府による集団的自衛権の行使を容認する憲法解釈の変更について、中国政府は歴史認識の問題と絡めて反対する立場を表明しています。
先月27日、自民党が武力行使の新たな3要件の試案を柱とする閣議決定案を公明党に示し、1日閣議決定が行われる見通しになった際には、中国外務省の報道官が「歴史的な理由から、日本の軍事分野の動向には強い関心と警戒感を持ち続けている。日本の動きが地域の平和と安定を損ねるのであれば、われわれは反対する」と言明しました。
中国としては、集団的自衛権の行使容認によって、日中の間で軍事的緊張がエスカレートしかねないと受け止めているものとみられます。
また、南シナ海の領有権問題や台湾問題などに日本が深く関与することになるのではないかと警戒しているものとみられます。
米 重要な取り組みと歓迎か
アメリカ政府は、まだ公式な反応を出していませんが、日米同盟の強化や地域の平和と安定にとって重要な取り組みだとして、歓迎するものとみられます。
これまでアメリカ政府は、あくまでも「日本が決めることだ」との立場を取りながらも、集団的自衛権の行使容認に向けた議論を一貫して支持していて、オバマ大統領も、ことし4月に日本を訪問した際、安倍総理大臣に直接、そうした考えを伝えています。
一方で、日米関係筋によりますと今回、集団安全保障措置としての武力行使を可能にすることが見送られたことについて、アメリカ政府内からは、「残念だ」という意見も出ているということで、アメリカとしては国防費が削減されるなか、同盟国、日本が安全保障上の役割を今後、さらに拡大させていくことを期待しているものとみられます。
韓国 米に配慮し明確に反対せず
韓国政府は歴史的な経緯から、安全保障を巡る日本の動きに神経をとがらせていますが、集団的自衛権の行使容認を支持する姿勢のアメリカ政府への配慮などから、明確に反対する立場は取っていません。
しかし、「朝鮮半島の安全保障や韓国の国益に影響を及ぼすことになる場合は、韓国の要請か同意がないかぎり、決して容認できない」として、日本が集団的自衛権を行使する際、韓国に影響がある場合には韓国政府の事前の合意が必要だという立場を繰り返し表明しています。
そのうえで、韓国政府は日本の集団的自衛権は透明性を維持し、地域の安定と平和に寄与するために行使されるべきで、「歴史に起因する周辺国の疑問と憂慮を払拭(ふっしょく)すべきだ」とけん制してきました。
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