スタートアップ
シリコンバレーのスタートアップはどんなプログラム言語を使っているのか?
- Jun 30, 2014
今日では様々なプログラミング言語が存在し、それぞれの言語が特定のそしてユニークな役割を果たしている。これらは特徴が異なるため、どの言語が優れているか一概に言うことはもちろん出来ない。しかし時代によって人気のプログラミングの言語は移り変わっている。今シリコンバレーエリアの企業で使われているプログラミング言語は何だろうか?
特に人気のある4つのプログラミング言語について紹介する。
スタートアップに人気の4言語 – PHP, Ruby(Rails), Scala, Python
PHP – ウェブ開発において最も人気の言語
動的なページを作る上で最適なサーバーサイドスクリプト言語である。シンプルなブログ作成から誰もが使ってる世界的ウェブサービスを作るまで様々な用途に対応する。2013年1月の時点で、PHPは24億のウェブサイト、210万のウェブサーバーで使われている。
それではPHPを使っているシリコンバレーのスタートアップ企業を見てみよう。
PHPを使う企業一例
長所
- 広範囲に渡るユーザーとエンジニアを持つ
- 広範囲においてデータベースとの親和性が高い
- 長期間に渡る利用者が多いため、ネット上に利用可能な多量の拡張とソースコードがある
- 環境設定が行いやすい
- 異なるタイプのウェブサイトに対応できる
短所
- デスクトップアプリ開発には向いていない
- エラーハンドリングがあまり良くない
- 他の言語と比べ一般的に安全性が劣る
Ruby (Rails) – ピュアオブジェクト指向言語
手軽なオブジェクト指向プログラミングを実現するために、まつもとゆきひろ氏により開発されたオブジェクト指向プログラミング言語である。テキスト処理関係の能力に優れ、また文法もシンプルなため、簡単にわかりやすくコーディングが出来る。人間が自由に書きやすくデザインされており、10人が書いたら誰もが違うコードを書く可能性が高いので、可読性が落ちることが難点。最近では、世界で最も人気のプログラミング言語トップ10にランクインしている。
それではRubyを使っているシリコンバレーのスタートアップ企業を見てみよう。
Rubyを使う企業一例
長所
- 複数のプラットフォームで機能する
- HTMLに埋め込むことが出来る
- 文法が比較的容易なため、経験が浅いデベローパーでも使いやすい
- 曖昧であるとパーサが判断しない限り、予約語を識別して使うことができる
- セキュリティ面に長けている
- シンタックス(文法構造)が柔軟である
- 日本のコミュニティが比較的大きい
- ダックタイピングと動的型付き言語である
短所
- 情報リソースが不足している
- 他の言語と比べて実行速度が遅い
- 保守性が低いため可読性が低くなりがちである
Scala – 新世代言語
簡素かつ、エレガント、そして型安全な方法で、プログラミングパターンを表現するために作られた言語である。関数型言語とオブジェクティブ型言語を上手く統合しており、それぞれの長所を併せ持つ。簡単にコードを書き換えられるため、変更に強く、そして柔らかい。一度ベータ版をリリースして変更を加えるリーン型スタートアップに向いている。最も若い言語の1つであり、今とても注目されている言語である。
それではScalaを使っているシリコンバレーのスタートアップ企業を見てみよう。
Scalaを使う企業一例
長所
- オブジェクト指向言語である
- 関数型言語としての側面も有する
- 静的に型付け可能である
- 拡張可能である
- 人気プログラミング環境であるJAVA/.NETと相互運用性を持つ
- 簡潔に書ける
- 柔軟なシンタックスを持つため、リーン型スタートアップに向いている
短所
- 比較的難易度が高いため、書けるようになるまで時間がかかる
- コンパイルに時間がかかる
- まだまだ成長過程の言語である
- IDE環境を調えることがかなり難しい
Python – 多目的プログラミング言語
広く使用されるオブジェクティブ志向型スクリプト言語である。より少ないコード行数でプログラミングを表現することが出来る。洗練されたデザインと豊富な拡張モジュールを兼ね備える。ウェブアプリには向いていないが、数字の扱いに優れているため、機械学習、人口知能、AI、ビックデータ処理などに向いている。最も人気なプログラミング言語トップ8に2008年から常にランクインしている。
それではPythonを使っているシリコンバレーのスタートアップ企業を見てみよう。
Pythonを使う企業一例
長所
- 複数のシステムで実行することが出来る
- シンタックス(文法構造)が堅い
- ラピッドプロトタイピングと動的型付きを提供する
- 海外でコミュニティのサポートが強大である
- 長く多くの利用者が多いため、ネット上に利用可能な多量の拡張子とソースコードがある
- 環境設定が行いやすい
短所
- 並行プログラミングにあまり向いていない
- 日本語の情報リソース(本、インターネット上での情報)が少ない
- 日本でのユーザーがまだ少ない
最後に
いかがであっただろうか。様々なプログラミング言語が使われている今日であるが、それぞれのスタートアップが各自のプロダクトにあった言語を使っているのが見て取れたであろう。どのプログラミング言語を学べば良いか迷っている場合、好きなスタートアップが使っている言語から始めてみるのも一つの手かもしれない。
photo by Heisenberg Media