読みやすく親しみやすい、ペン書き風の文字
凸版文久体
スマートフォンやタブレットなどで文章を読む機会が急増し、文字を取り巻く環境の変化が起きています。私たちは、急速に進む電子化の中であらためて読みやすさについて考え、電子化時代の読書体験を支える新しい書体の開発を行い、より豊かな暮らしの実現に貢献してまいります。
凸版文久体とは
時代にあわせてCTS、デジタルへと姿を変え、
2014年、新しい〈凸版文久体〉に生まれ変わりました。
凸版文久体のあゆみ
凸版印刷のオリジナル書体〈凸版書体〉が生まれたのは、1956年(昭和31)。書体設計士・二瓶義三郎(にへいよしさぶろう)によって金属活字として設計されたその文字は、それまでの書体に見られた筆の運びとは一線を画す、ペンで書いたような親しみのあるデザインで、書籍をはじめとする多くの印刷物で使われ、読まれてきました。
「読みやすさ」とは、一人ひとりの個人的な感覚ですが、「文字」によって情報の咀嚼が行なわれる以上、私たちは文章を読むとき、無意識のうち文字のデザインに影響を受けています。
凸版書体もこのような前提をふまえ、「文意を受け取りやすく」「見栄えがよく」「子どもが間違えて字を覚えないように」など、さまざまな想いを込めてつくられました。
1969年(昭和44)には、他社に先駆けて活字からビットマップフォント(CTS)に移行。1990年(平成2)には、書体品質向上のためにアウトラインフォントとしてリニューアルし、2005年(平成17)には、DTPでも活用できるようにOpenTypeフォント化するなど、凸版書体は印刷技術の変化に対し、つねに柔軟に、最適なかたちで現代まで受け継がれてきました。
そしていま、電子化の時代を迎え、60年ぶりに凸版書体の大改刻を行ないます。字母と呼ばれるおおもとに立ち返り、文字を手で書き直すリニューアルです。新しい名前は〈凸版文久体〉に決まりました。
凸版書体の誕生
時代に合ったペン書き風の明朝体が生み出された。
それが凸版書体です。
凸版文久体をつくる
これは復刻ではありません。
コンセプト
今回の〈凸版文久体〉開発プロジェクトは、過去につくられた書体をそのままのかたちで現代のデータ形式に合わせる復刻ではありません。
凸版書体らしさを追求しながらも、電子媒体で文章を読むということに象徴される現代のくらしに、現代の技術を使って凸版書体を適合させるというチャレンジです。
そうして、紙の書籍はもちろん、デジタルデバイスまで含めた読書体験が、いまよりももっと豊かになれば……。さまざまなメディアが並立する現代において、情報・文化の担い手として、豊かなくらしを支えていきたいというのが私たちの願いです。
名前の由来
凸版書体は、今回のリニューアルプロジェクトで〈凸版文久体〉と名づけられました。その名前には「文学をはじめ、文字による情報表現に永久に関わっていきたい」という願いが込められています。
受け継がれるもの、生まれ変わるもの
プロジェクトメンバーの想い
〈凸版文久体〉は、下記のプロジェクトメンバーで制作されています。
田原 恭二 + 紺野 慎一
総合プロデュース
凸版印刷株式会社
凸版の文字はペンで書いたような骨格を持つ独特な書体です。誰にでも書けそうな身近な感じのする文字でありながら、文字そのものの主張は控えめで、設計当時「読者が作品に素早く感情移入していただけるように」ということにこだわり、考えに考え抜いてつくられた書体だと思います。私たちは、このような普遍的な先人達のマインドを受け継ぎ、電子化時代の「いま」にふさわしい文字へと、凸版フォントを進化させたいと考えています。
鳥海 修 + 伊藤 親雄
漢字・仮名担当
有限会社字游工房
凸版文久体は新しい時代をつくっていく、画期的で魅力にあふれた書体です。凸版書体の伝統を継承しながら、「デジタルデバイス対応」や「明朝は縦組みに特化」「ゴシックは横組に特化」という明確なコンセプトを中心に据えて、凸版印刷と監修者、そして私たち制作者が三位一体となり生み出してきました。この書体がその名の示す通り、さまざまなシーンで永く愛され親しまれ、そして読者の傍らにいつもひっそりと佇んでいることを、何よりも願っています。
岡野 邦彦
英数字担当
Shotype Design
欧文はこれまで凸版書体として使われていたものをベースとしない新規のデザインです。明朝用欧文にはクラシックなフォルム/プロポーションのローマン体を設計し、仮名と同様にやや手書きの印象を持たせました。仮名の起筆や打ち込みの厚みと合うしっかりしたセリフなど、エレメントはモダンな印象に。クラシックとモダンのイメージを併せ持つことにより、幅広いコンテンツをカバーするデザインにしています。
小宮山 博史
監修
佐藤タイポグラフィ研究所
凸版明朝体の改刻の目的は、次世代を支える明朝体の提案である。現行書体は漢字両がなともに特長的な造形が多いが、これを維持するという方針のもとに、すべての文字について大きさと太さ、字形について細部にいたるまで検討と調整を行い、将来の印刷・表示用書体の方向性を示している。既存書体と組み比べてみると、改刻書体は伝統を残しながらも現代的であり、明るくかつ平明である。書体の中に企業のあるべき姿勢が見えている。
祖父江 慎
監修
有限会社コズフィッシュ
1956年に設計された凸版書体は、DTP以前の本文用書体開発の流れの最終形で、小学校教育で習う文字の形を意識しつつ、未来を見据えてつくられた書体です。今回の改刻では、そんな凸版書体のオリジナルの骨格を大切にしながら、運筆の流れを意識した「身体的な文字」でさらに一歩進めた現代のデザインを目指しました。欧文や約物は、従来とはまったく違う方向で可読性を高める配慮をしています。記号にも力が入っていますよ。
凸版文久体の特徴
スクリーンの透過光でも埋没しない文字
日本語のリズムや息づかいを演出する文字
和文との差がわかり、文中で適度に映える英数字
遊び心と機能性溢れる記号類
インフォメーション
今後のリリース予定
凸版文久体に関するお問い合わせ
凸版印刷株式会社
情報コミュニケーション事業本部
トッパンアイデアセンター
デジタルコンテンツソリューションセンター
東京都板橋区志村1-11-1
電話 03-3968-5358
E-mail toppan_font@toppan.co.jp
* 『文久体』は凸版印刷株式会社の登録商標です。 * 本サイトに記載された会社名および商品・サービス名は各社の商標または登録商標です。 * 本サイトに記載された内容は2014年6月現在のものです。その後予告なしに変更されることがあります。