神沢和敬
2014年7月1日07時39分
輸入豚肉の価格高騰を受け、ハム・ソーセージの各メーカーが7月1日以降、多くの商品を値上げする。とはいえ、これで一息とはいきそうにない。新興国での需要増加などで高騰が収まる気配がないためで、各社とも工場に新設備を導入したり、商品数を減らしたりして生産コストを抑えようと必死の努力が続く。
最大手の日本ハムは4月、70億円を投じて国内最大の茨城第一工場(茨城県筑西市)を建て替えた。
フランクフルトソーセージを自動で加熱・冷蔵でき、1時間当たりの生産量が5割増えた。年35億円のコスト削減につながるという。大社修司ハム・ソーセージ事業部長は「大規模化で生産性を上げ、コストを下げたい」と話す。
ハム・ソーセージの主原料は輸入豚肉だが、世界最大の消費国である中国でこの10年に消費量が3割増。価格高騰の主因になった。
さらに、今年に入って米国で豚の伝染病が広がって出荷量が減ったことが追い打ちをかけた。
このため、大手各社は、7月以降に平均10%値上げすることを決めた。昨年も円安が原因で値上げしており、消費者離れを警戒したいところだが、背に腹は代えられず2年連続の値上げに踏み切った。今年度までに増えると見込むコストの3~5割ほどを今回の値上げで補い、残りはコスト削減でカバーするという。
しかし、各社にとって逆風は強いままだ。「えさとなる穀物も値上がりしている。今後も上昇は続く」。資源・食糧問題研究所(東京)の柴田明夫代表(62)はこう推測。毎年1割以上値上がりするとの見方もある。
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