日時
平成25年1月21日(月)午後2時~午後5時
場所
永田町合同庁舎第1共用会議室
出席者
| 【担当大臣】 | 古屋 圭司 | 内閣府特命担当大臣 |
| 【構成員】 | 川端 博(座長) | 明治大学法科大学院専任教授 |
| 同 | 相澤 好治 | 北里研究所常任理事・日本医学会幹事 |
| 同 | 有本 香 | ジャーナリスト |
| 同 | 岩井 宜子 | 専修大学名誉教授 |
| 同 | 里見 進 | 東北大学総長 |
| 同 | 野口 貴公美 | 中央大学法学部教授 |
| 同 | 今井 裕 | 東海大学医学部学部長・東海大学医学部専門診療学系画像診断学教授 |
| 同 | 今村 聡 | 日本医師会副会長 |
| 同 | 岩瀬 博太郎 | 千葉大学大学院教授 |
| 同 | 久保 真一 | 福岡大学医学部長・福岡大学医学部法医学教室教授 |
| 同 | 小室 歳信 | 日本大学教授・日本法歯科医学会理事 |
| 同 | 福武 公子 | 弁護士 |
| 同 | 福永 龍繁 | 東京都監察医務院長 |
| 同 | 柳川 忠廣 | 日本歯科医師会常務理事 |
| 【関係行政機関】 | 古本 顕光 | 総務省自治行政局地域政策課理事官他1名 |
| 同 | 村田 善則 | 文部科学省高等教育局医学教育課長他2名 |
| 同 | 髙島 泉 | 厚生労働省大臣官房審議官他4名 |
| 同 | 川上 直実 | 海上保安庁警備救難部刑事課長他1名 |
| 同 | 山下 孝司 | 防衛省人事教育局防衛部員他1名 |
| 同 | 大賀 眞一 | 警察庁刑事局捜査第一課長他3名 |
| 同 | 片山 朗 | 内閣府政策統括官付参事官(自殺対策担当) |
概要
開会
古屋死因究明等担当大臣挨拶
古屋死因究明等担当大臣から、「死因究明等の強化については、政権が交代しても、引き続き取り組んでいかなければならない重要かつ喫緊の課題であり、安心して暮らせる社会を実現するために、構成員の方には、今後とも活発な御議論を展開していただきたい」との発言があった。
検討会における今後の検討スケジュールについて
事務局から、「人材の育成」及び「施設等の整備」に係る今後の検討スケジュールについて、前回までの検討状況を踏まえて、資料1のとおり修正したい旨説明が行われ、検討会において了承された。
人材の育成、施設等の整備に関する構成員の主な発言
- 歯科情報による個人識別の高精度化・迅速化等のため、警察と歯科医師との合同研修会の内容の充実、全国統一化が必要ではないか。
- 災害発生時における身元確認を迅速かつ的確に行うためには、生前歯科情報をあらかじめ収集し、データベース化しておくことが必要である。データの保管は国又は第三者機関で行うことが望ましい。
- 歯科情報のデータベースをどこにおくのかということと、様々な医療情報をデータベース化して持つという動きとの整合性をどう考えていくのかについて整理しておく必要がある。
- 歯科情報のデータベース化については、歯科情報が個人情報であるとの認識と、その利用目的をはっきりさせておくことが必要である。
- 歯科情報のデータベース化については、将来的な必要性は感じるが、現段階においては性急であると思う。まずは現在行方不明となっている方のデータベース化から始めるというのが現実的だと思う。
- 薬毒物検査職員に関し、全国的な必要人数が明らかにならないと、議論の方向性が出しにくい。
- 薬毒物検査に関する体制については、まずは全国に10か所くらいの拠点をつくり対応していくのが現実的である。
- 仮に拠点をつくったとしても、それらがバラバラに動いてしまうと様々な問題が起きかねないので、薬毒物分析、解剖、各種検査でコントロールタワー的な中央機関をつくってコントロールすることが必要である。
- 薬毒物検査はすべての異状死体に実施すべきではないか。
- 全国の薬毒物検査に係る実態や今後どういう遺体を対象に検査を行っていくのかという話は、整理しておくべき。
- 警察からの嘱託ではなく、死因究明センターからの嘱託で検案医の先生が動き、検案医の判断でCT、解剖、検査が行われる体制とすべき。
- 死因究明センターを作るにしても、検査を行う施設までとなると経済的にも大変な負担となるので、現在ある検査機関の利用を考えるべきではないか。
- 薬毒物検査についてはクオリティーコントロールの問題があり、全国に拠点を設けたとして、各所における同一の検査に対して同一の結果が出るようにするためには、今行っている仕組みとは別の仕組みが必要である。
- 剖検等で得られた情報の臨床・医学へのフィードバックは非常に重要であり、人材の育成の観点からも、死因究明センターを作るに当たっては大学との連携ができるような位置付けとすることが必要である。
- 解剖等の実施体制に地域格差があることが問題。
- 国の財源の問題は議論の方向性に影響するので、施設等の整備の議論に入る前に、国として、死因究明に関して最終目標をどこに持っていくかを決めることが必要なのではないか。
- 本当に死因を決めたいとすれば50%以上は解剖しないと分からないと思うが、東京都監察医務院では、なんとか押さえて2割を解剖している現状に鑑みれば、一応の目標は2割におき、状況を見て上げていくべき。
- 東京監察医務院をモデルとし、これを全国で同じレベルで行うということであれば、必要な費用等の試算は概算で出せるのではないか。
- 当面の目標として20%、50%を定めるのはよいと思うが、将来的にはもっと発展させるような土台を作らないといけない。国の予算の関係もあるので一定の目標を決める必要もあるかと思うが、最低限20%というのは譲れないラインである。
- 解剖数に関する議論も重要であるが、解剖の質に関する議論も重要。
- 解剖を待たずとも死因の判断がある程度可能となる死後画像の活用は有用であるので、本検討会において死後画像の活用の位置付けを明確にしたうえで、施設の中にどのように整備していくのかということも検討すべき。
- 死後画像の活用を推進していくのであれば、放射線技師、放射線科医の資質の向上も必要となる。
- 児童虐待死防止等のため、医療機関外で亡くなった児童については全例死後画像の撮影・読影をすべき。
- 解剖の質の問題についてであるが、法医学会の提言として出している司法解剖標準化マニュアルが、47都道府県の様々な施設において共有して使われるようになれば、薬毒物分析や解剖の質の統一化は図られると考える。
- 公衆衛生の維持というのは地方公共団体の仕事なのではないかと考えており、そのような観点に立った上で、自治体との役割分担の中で、国がどういう形で手助けをすればよいのかを慎重に議論していくことが必要なのではないか。
- 地方自治体には死因究明を担わなければならないという認識はないのであり、地方自治体にある程度のことを任せるのであれば、まずはそのような認識を持ってもらうことが大切。
- 最後は財源の話となるので、地方に仕事をしてもらうのであれば、きちんとした財源の手当てをしなければならない。
- 死因究明に関する仕事を地方にやらせるのは難しいと考えるので、やはり全国レベルで考えていくべきと考える。
- 国のやることと地方のやることを、検討会において明確に分けて提案してもよいのではないか。
- 死因究明に関して蓄積されたデータは公衆衛生のために役立つ重要なものと考えており、国として一つまとまったデータを全国どこでも見られるというものにしなくてはならない。それが国民の安心安全な生活に繋がり、安寧秩序のためにも役立つので、国によるバックアップは絶対に必要と考える。
- 公衆衛生学会では、死因究明というよりは、むしろ生きている間にどういう生活習慣をして、環境に悪いものを排除して、どれだけ生きるかというところに力を入れている。
閉会