ローマ法王:激務の疲れ?病院でのミサ中止

毎日新聞 2014年06月28日 19時11分

 【ローマ福島良典】フランシスコ・ローマ法王(77)が27日、体調不良を理由に、予定していたローマの病院でのミサを直前になって中止した。バチカン報道官は「法王の健康を心配する理由はない」と説明しているが、最近、公務の取りやめが相次いでおり、「激務の疲れが出ているのではないか」との臆測を呼んでいる。

 法王は27日夕、バチカンの約3キロ北にあるカトリック系病院を訪れ、患者らと面会し、ミサをささげる予定だったが、「予期せぬ体調不良」(バチカン)のためにキャンセルした。イタリアのANSA通信によると、「法王はひどく疲れている」という。

 法王は5月下旬の中東歴訪の前後にも大事をとって休養した。バチカンは法王がサンピエトロ広場で毎週水曜日午前に信徒と面会する「一般謁見」を7月中は昨年同様行わず、毎朝のミサも9月まで中断すると発表。6月19日、法王はローマ中心部の通りを約1.5キロ歩くカトリック宗教行事の行列に参加せず、車で移動した。

 イタリア紙コリエレ・デラ・セラ(電子版)によると、バチカン報道官は27日、「法王は激務であり、中東歴訪に続き、6月は仕事が詰まっている。体調が崩れる時があっても不思議ではない」と述べた。今週末の28、29両日の公務は予定通りだという。

 前任のベネディクト16世(87)は昨年2月、高齢と体力の衰えを理由に生前退任し、「名誉法王」となった。フランシスコ法王は中東歴訪の帰路、記者団に「神が退位せよと言えば、私もそうする」などと述べ、生前退位の可能性を示唆している。

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