ビッグローブは、モバイル新商品「BIGLOBEスマホ」とLTE対応の「音声通話SIM」の発表を行いました。
BIGLOBEスマホは4つの料金プランを提供。「音声通話スタートプラン(月間通信容量1GB)」と「ライトSプラン(月間通信容量2GB)」は、端末+通信費税別3476円/月・通話料税別20円/30秒。「ライトMプラン(月間通信容量3GB)」と「スタンダードプラン(月間通信容量7GB)」は、端末+通信費税別5614円/月・通話料税別20円/30秒。
「音声通話SIM」は音声通話機能付きでLTEフルスピードに対応。通信費税別1600円/月・通話料税別20円/30秒。
今回発表したBIGLOBEスマホは、既に携帯契約がある人から寄せられていた電話番号を引き継いでBIGLOBEのモバイルサービスを利用したいというニーズに応えたもの。スマホの利用者は平均月額8000円を負担し、スマホの利用料金は高いと感じている。また格安スマホのイメージ調査ではすぐ壊れたり、別に料金がかかるのではと品質に疑問の声が多く、それを払拭したいと意気込みを語りました。
本サービスは、NTTドコモのXi/FOMAエリアで利用可能な音声通話月SIMカード「BIGLOBE LTE/3G」と、シャープ製Android携帯「AQUOS PHONE SH90B」を組み合わせて提供。NTTドコモの電波を利用するNVNO式で、最大通信速度は下り150Mbps/下り50Mbps。
本体のカラーバリエーションはホワイトとブラックの2種類です。
通信速度はフルスピードLTEで、通信容量は1GB。月間通信容量を1GBに制限して安さを実現しています。NTTコムの調査によりスマホ利用者の7割が1GB/月程度の通信量を使用していることが分かっており、提供品質として十分であるとのこと。
なお、ユーザーは全国に展開するBIGLOBEの公衆無線LANサービス「Wi-Fiスポット」を追加料金無料で利用可能。WiFiとLTEを自動選択してスムーズな通信を行うアプリ「オートコネクト」をプリインストールし、1GB以上の通信量を使用するヘビーユーザーも快適に利用できることを訴求しています。これまでのスマホは「リムジン」。格安スマホは「Kカー」。BIGLOBEスマホは「ハイブリッドカー」であると例え、「速くて安い」サービスの提供に自信をのぞかせました。
また、イオンと提携した「イオンスマホ」を7月4日より発売。3G回線14Mbpsで、月額1980円。BIGLOBEが回線サービスを提供します。
端末なしのSIMのみでフルLTEサービスを提供する「音声通話SIM」は、先週末の総務省が15年度中にもSIMロック解除を義務化するという報道にうまくタイミングが合った形。なお、音声通話SIMユーザーもBIGLOBEスマホと同じくWi-Fiスポットを追加料金無しで利用可能。オートコネクトアプリを利用する端末にインストールすることで、シームレスにLTE・WiFiを切り替え、通信容量を気にせずに利用できます。SIMカードは、標準・micro・nanoの3タイプ。
「速くて安い」を追求するため、オートコネクト・充実した安心サポート・スマホ専用センターを提供し、他社との差別化をはかります。水没や破損などメーカー保障外の故障時に交換機を提供する「BIGLOBE端末あんしんサービス」は税別300円/月。電話でBIGLOBEスマホの設定や使い方(電話・Web)、インターネット全般の使い方をサポートする「BIGLOBEお助けサポート」は税別475円/月。
オートコネクトアプリは月額の通信容量を明示し、利用可能なWi-Fiスポットを検索できる専用のマップ機能を搭載。目的地ですぐWi-Fiスポットが使えるよう配慮しています。
販売チャネルは、インターネットではBIGLOBE公式サイト・Amazon・楽天。実店舗ではイオンリテール約200店舗での提供(本州・四国)となっています。
最後に、今年9月に日本初登場グローバルモデルのLG G2 mini for BIGLOBE(LG-D620J)を提供端末として追加することがサプライズ発表されました。OSはAndroid 4.4 KitKat・BIGLOBEオリジナルモデルとしてオートコネクトアプリをプリインストール。使いやすさと総合的なバランスが社内で高く評価され、本機の採用に至りました。
2016年末までにBIGLOBEモバイル契約数を100万まで伸ばすことを目標として表明し、意気込みを感じさせる発表でした。
質疑応答
Q:従来より「ほぼスマホ」のサービスを提供しているが、ほぼスマホで提供しているIP電話機能は本サービスでも使用可能か?
A:今回の新サービスは、一般音声通話として受信ができる080・090番号の提供を行うサービス拡張であり、BIGLOBEモバイルとして展開している全ての機能を利用できる。
Q:総務省が15年中にSIMロック原則解除を義務化するという報道があったが、BIGLOBEモバイルに与えるインパクトはどの程度と考えているか?
A:まず、土曜日に突然報道が行われたため少々驚いている。このタイミングを狙って発表したのではないが、非常によいタイミングでビジネスへの追い風になっていると感じる。以前より、SIMロックフリーを是非実現して欲しいと申し入れていた。
Q:大手3社の音声定額プランが出揃ったが、インパクトはどの程度と予測しているか?
A:大手3社の音声定額プランは音声通話を多用する方には非常に魅力的だと思うが、定額プランの平均価格2700円を超えて電話をかける人がどの程度いるのか疑問に感じている。
正直に言って、今回発表したBIGLOBEスマホと音声通話SIMの通話料金(30秒あたり20円)は高めの設定だが、2700円まで通話料を使う人はまれであろう。よって、他社サービスとくらべても十分競争力はあると自信を持っている。また、3大キャリアとは営業の販売チャネルが全く違い、店舗での販売は行わず手間を掛けない売り方を主にしている。そのため、3大キャリアとは競合しないサービスであると考えている。
Q:今後、MVMOサービスの提供業者同士での競争も起こってくるが?
A:様々な格安スマホサービスが提供されているが、LTEフルスピードが出て、端末込でこの値段は現在のところ弊社のみではないだろうか。基本のスペックで全く負けておらず、勝負になると思っている。
通信容量制限を行って低価格を実現しているが、オートコネクトを同時に提供することで、WiFi環境があれば快適に速く通信ができる。そのための面倒な設定やスポットを探す手間も省けるため、現在利用中のユーザー満足度は高い。
Q:9月に提供予定のLG G2 mini for BIGLOBEの価格帯ボリュームはどの辺りか?
A:明日から提供するシャープのAQUOS PHONE SH90Bとのセット価格よりは安く、イオンスマホよりは高い価格帯での提供になるだろう。
Q:イオンスマホの販売目標は5万台とのことだが、BIGLOBEスマホサービスと競合するのではないか?
A:価格帯としては2つのラインナップになる。イオンスマホはBIGLOBEとして3G回線サービスを提供するのみ。BIGLOBEスマホは、LTEフルスピードを確保して展開していきたい。また、端末機種のバラエティも今後増やしていきたい。
Q:BIGLOBEスマホの端末選定理由は?
A:AQUOS PHONE SH90Bを選んだのは、スマホでも電池の持ちが良い点。LG G2 miniは持ちやすく、軽く、使い勝手が良いという社内の評判で決定した。
Q:4月8日の記者発表で3G搭載Androidスマートウォッチの開発と年内発売が表明された。現在どのような状況か?
A:現在引き続きハードウェアを開発中。現在他社より発売・または発売予定とされているスマートウォッチのように、Notification通知を行うだけではない端末を目指している。必ずみなさんが使う機能を実装する予定。
Q:BIGLOBEスマホの想定ユーザーは?
A:40-50代のまだスマートフォンを使用していない人を主なターゲットとしているが、買い替え需要ももちろん期待できると考えている。