「蔦屋書店」などを運営するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)と凸版印刷子会社のブックライブ(東京・台東)は30日、電子書籍事業で提携し新サービスを始めると発表した。CCCが運営する書店で書籍を購入するとその電子版を無料でもらえるか、通常より大幅に安く購入できる。
自宅では紙の書籍で読書を楽しみ、通勤の際にはスマートフォン(スマホ)で続きを読みたいという消費者ニーズにこたえる。書店チェーンと電子書店で国内最大規模の両社が組むことで、電子書籍の普及にも弾みが付きそうだ。
新サービス「AirBook(エアブック)」を年内にも始める。CCCのポイントサービス「Tポイント」と、電子書店「ブックライブ」のIDを連携させ、購入した書籍の電子版が自動的にスマホのアプリ内の本棚に入る仕組み。ダウンロードで電子版のデータを取り込むため、いつでも続きをスマホなどで読める。
店頭で取り寄せた書籍が届くまで電子版を先行配信するサービスも始める。対象となる書籍数は出版社と交渉して今後詰める。
将来は「TSUTAYA(ツタヤ)」でDVDやCDなどをレンタル・購入すると、作品に関連する電子書籍が無料もしくは値引き価格で購入できるサービスも検討する。
CCCは2014年3月期の書籍売上高が過去最高の1157億円で、国内最大規模の書店チェーン。ブックライブは29万点の電子書籍をそろえる国内最大の電子書店だ。CCCはブックライブとの連携で書店への来店客を増やす狙い。ブックライブは電子書籍のユーザー層を広げ、Tポイントの導入で顧客を囲い込む。
同様の取り組みでは、文教堂グループホールディングス(GHD)がアプリ「空飛ぶ本棚」で雑誌を買うと電子版が無料でもらえるサービスを実施。昭文社もアプリ「マップルリンク」で電子版を無料提供している。
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