【ブレーク予報】藤山扇治郎「松竹新喜劇」のイメージ変える

2014年6月30日15時0分  スポーツ報知
  • 12年ぶりとなる新橋演舞場での公演に心を躍らせる藤山扇治郎

 祖父は“昭和の喜劇王”藤山寛美さん。子供の頃から喜劇俳優を目指して…、と思いきや、当初はその気は全くなかった。「子役の時は『何となく役者として生きていきたい』とは思っていましたが『現実的には難しいな』とも考えていました」。大学卒業後に入ったのは青年座研究所。小唄の家元だった父・白扇夕樹夫の影響で芸事には親しんでいたが、商業演劇への興味は薄かった。

 だが、DNAが、喜劇俳優に導いた。「東京で一人暮らしをした時に、(松竹)新喜劇のDVDを見た。その時に『泣いて、笑わせて。何て人間味あるお芝居なんだろう』と思ったんです。それで『松竹新喜劇に行きたい』と考えるようになりました」。昨年11月に劇団に正式加入。7月4日から新橋演舞場で始まる「爆笑七夕公演」(21日まで)が、東京でのお披露目。

 寛美さんの当たり役だった「お祭り提灯」の丁稚三太郎などを演じる。プレッシャーは相当だと感じるが「おじいさんの役をやれるという喜びの方が大きいですね」とサラリ。「実際に会っていたらプレッシャーになるかもしれませんが、僕が3歳の時におじいさんが亡くなって、映像でしか知らないので」。無理に似せようとは思わず、役の人物の気持ちを大切にしていきたいという。

 目標は、自分と同世代の観客を増やすことだ。「僕の友人でも『新喜劇』というと、松竹ではなく吉本の方を思い浮かべる。松竹の方は年を取った人が見るというイメージがあると思います。それを変えたい。どの世代でも気軽に楽しめるお芝居ですから」(高柳 哲人)

 ◆藤山 扇治郎(ふじやま・せんじろう)本名・酒井扇治郎。1987年1月21日、京都府生まれ。27歳。祖父は喜劇役者の藤山寛美さん、伯母は女優の藤山直美。母は直美の妹。93年、6歳の時に東京・歌舞伎座の「怪談乳房榎」でデビューも大学卒業までは学業に専念。フジテレビ系(東海テレビ制作)の昼ドラ「赤い糸の女」(12年)などに出演。13年11月、大阪松竹座での公演で松竹新喜劇に正式加入。

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