方向と距離だけ表示される、方向音痴のためのシンプルなナビゲーションアプリ「Waaaaay!(うぇーい)」
今年の上半期において、個人的に一番衝撃を受けたアプリ。iOSでもAndroidでも使えます。
■ とにかくコンセプトが抜群にすごい!
私がWaaaaay!を知ったのはこの記事でした。
泣いちゃうくらいの方向音痴を救う「Waaaaay!(うぇーい)」を作る、週末アプリ制作チーム「方痴民(ほうちみん)」に会ってきた - THE BRIDGE
(引用)
本当の方向音痴さんは、そもそも地図が読めない。地図を取っ払って、向かうべき「方向」と「距離」だけコンパスで指し示してくれる画期的なアプリ。
この記事を読んだ時の感想
この短い文章だけで発想のすごさが伝わるアプリにはなかなかお目に掛かれない。そのくらい凄い / "本当の方向音痴さんは、そもそも地図が読めない。地図を取っ払って、向かうべき「方向」と「距離」だけコンパスで指し示してくれる画期的なアプリ" http://t.co/R92m3rgRrs
— 小林 佑次 / Snapeeeの中の人 (@yuji_nano) 2014, 4月 18
たったこれだけの文章で、このサービスを必要としている人が世の中にたくさん存在していることが十分すぎるほど想像できるわけですよ。
サービスはやはり刺さるコンセプトありきです。コンセプトが世の中のニーズとマッチしているなら、実現手段を改善していけばそのうち当たります。
でもコンセプトですでに外しているサービスは、手段をどれだけ変えてもユーザーに刺さることはまずありません。
説明を何分聞いても良さが分からないようなサービスが氾濫する中、Waaaaay!の明快なコンセプトはとても優れています。機能の改善はあっても、コンセプトだけは絶対に変えずに突き進んでほしいなぁ。
■ ユーザーに愛されるアプリ
コンパスの針をサンマにしたり、AppStoreのアップデート文を工夫したり、いろんな所に細かなネタを仕込んだ結果、とてもユーザーに愛されるアプリになっているのがレビュー欄などから分かります。
ファンを増やすブランディングができていると、リアルでの口コミ効果が期待できるだけでなく、ユーザーが不具合に寛容になってくれたり、競合のアプリが出てきた場合に離反しにくくなったりなどのメリットもあります。
Waaaaay!のようなアプローチって、生真面目に考えているだけじゃ絶対に実現できないんですよね。合理主義の上司がいたら絶対に却下されるようなものばかりだし 笑
面白いサービスを作るためには、ユーモアのある発想とその実行が許容される文化が必要です。Waaaaay!はそれをよく体現しているアプリだと思います。
■ 事業としての可能性
コンセプトが優れているサービスはコピーされやすいです。Waaaay!について言えば、コンセプトが明快な反面、GPSの精度が不完全であったりするなど「コンセプトの実現」にまだいくつかの課題がありそうなので、若干その辺りに懸念があります。
この方面で、事業として本気で市場を作りにくる会社が出てきたらどうなるんだろ。
個人的には、法人化した上で、ある程度まとまった資金調達をして、ユーザー獲得と機能改善のスピード感を上げて行って、どこかの会社に売却、というストーリーがあっても良いような気がします。
うーんでも、この規模でやっているから自由にできるというのもあるのかな。
■ まとめ
コンセプト、実装、運営方針などなど、サービスを企画する人にはとても学びの多いアプリです。ぜひ一度研究してみることをオススメします。
Waaaaay!には「地図を読めない人向けのナビアプリ」という市場で、ぜひ一番のポジションを取ってほしいな。