高校の頃進学クラスに配属され、そのクラスには男しかいなかった。
そのため女を特に意識することもなく、男臭い中で3年間を過ごした。
だが、高1の頃、別のクラスのある女からアプローチを受けたことがあった。
友人曰く、俺のことが気になっている女がいると。
今までそんな経験なんてなかったので、そんなアホなと思いつつ、その女がどういう容姿か尋ねた。
結局聞いても誰だか分からなかったが、思い返してみれば全校集会のときに俺の方を見てにやにやしてる女2人がいた。
そのとき俺は当たり前のように悪口を言われてるのかと思って無視した。
どうやってその女が誰かを特定したかは忘れたが、彼女はその集会のときの女の1人で、とても容姿端麗だった。
正直恋愛なんてくそみたいなことするつもりなかったが、成り行きで馬鹿みたいにメールしたりデートしたりした。
が、結局他の男にあっけなくとられて俺の恋は終わった。
あれから10年近く経ち、俺も垢抜けたのか、女の扱いにも慣れ、これ以上はないというくらい綺麗で完璧な女性を手にすることが出来たが、今でもその娘のことはよく思い出す。
しかしどこかで彼女に感謝している自分がいる。彼女がいなかったら確実に俺はハングリーになれなかった。
またいつか会えたりするのかなと思いつつ、俺はこの彼女の記憶を美化させたまま「いい思い出」として胸にしまっておくのだろう。