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【社会】

リニア残土受け入れ、瀬戸名乗り 愛知全量規模

リニア残土の受け入れが検討されている鉱山=愛知県瀬戸市で、本社ヘリ「おおづる」から(浅井慶撮影)

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 2027年の開業を目指し、今秋にも着工されるリニア中央新幹線の工事で大量に発生する残土を、愛知県瀬戸市の窯業団体が採掘中の鉱山の埋め戻し用に受け入れる検討をしていることが、関係者への取材で分かった。愛知県内で残土受け入れを検討している候補地が明らかになるのは初めて。

 JR東海によると、リニア工事のトンネル掘削で発生する残土は、沿線7都県でナゴヤドーム33杯分の5680万立方メートル。利用先のめどが立っているのは山梨県で半分、岐阜県で2割程度にとどまり、愛知県内ではまだ受け入れ先が白紙の状態だ。

 受け入れを検討しているのは、ガラス原料の珪砂(けいしゃ)を採掘する業者で構成する愛知県珪砂鉱業協同組合(瀬戸市)。瀬戸市の中心に位置し、珪砂や陶土などを戦前から採掘している通称「瀬戸のグランドキャニオン」と呼ばれる鉱山の南側部分48ヘクタールを候補地としている。

 県有地で組合が租鉱権を持ち、これまで累計で計2400万立方メートルの窯業原料が取り出された。10年以内に採掘が終わると見込まれている。採掘後は組合に埋め戻しの義務があり、1300万立方メートルの土砂が必要。新東名高速道路の工事の残土などを受け入れ、一部は埋め戻しが始まっている。

 JR名古屋駅から春日井市までを通る愛知県内のリニア残土は650万立方メートルで、鉱山の埋め戻しですべて受け入れられる計算。残土が排出される春日井、名古屋市の非常口までの距離が10〜25キロと近く、コスト面や環境への配慮からも利点がある。

 珪砂組合の山中俊博理事長(63)は「鉱山は県有地で、公共性の高い残土を中心に受け入れている。リニアも受け入れに支障がない」と話している。

 事業を推進する愛知県リニア事業推進室の担当者は「土砂の活用先について現在はいろいろな可能性を探り、調整している段階。瀬戸市で残土を有効活用していただけるという点では良い話」と話している。JR東海広報部は「個別の受け入れ先の情報はコメントを差し控えたい」としている。

(中日新聞)

 

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