機械
「H3ロケット」開発始動−エンジン部品点数4割削減、汎用部品多用でコストダウン
「H2A」を製造する三菱重工・飛鳥工場
2020年度の1号機打ち上げを目指す新型基幹ロケット「H3」(仮称)の開発作業が、4月から主契約者の三菱重工業で始まった。政府はH3の打ち上げコスト(製造費を含む)を現行のH2Aと比べ半分(約50億円)に抑える方針を掲げており、抜本的な生産革新が期待される。開発の現場を探った。(名古屋・杉本要)
「価格ターゲット(目標)が最優先」。三菱重工宇宙事業部の二村幸基技監・技師長は、H3と既存ロケットとの違いをこう語る。1980年代の「H2」以来、約30年ぶりに“フルモデルチェンジ”される日本の基幹ロケットは、性能向上とコスト競争力の強化という二つの使命を負う。
コスト削減の目玉は、JAXAを中心に技術実証を進めてきた新型エンジン「LE―X」。従来は推力の問題から第2段エンジンのみに用いられてきた「エキスパンダーブリードサイクル」という方式のエンジンを、H3では大推力が必要な第1段にも適用する。これによって構造の簡素化を実現し、複雑な燃焼サイクルを持つ現行の「LE―7A」と比べ「部品点数を4割削減する」(二村技監・技師長)。
一方、センサー類や電子部品などの分野では、汎用品の適用を増やす。これまでロケット部品は耐久性などの点からほぼ専用部品だったが、H3では「信頼性を確保した上で民間(市場)で流れている量産品を使いたい」(二村技監・技師長)。
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