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5つ星のうち 5.0
必読書, 2014/5/18
「魂の脱植民地化」という概念の提唱者による実践的研究書。これまでに書かれたことのないスタイルの学術書であり、同時に、誰もが、自分の生き方について考える手がかりとなる実践書。
尚、「議論が足りていない, 2014/4/29」という☆☆のコメントが、「魂の植民地化」のサンプルとして極めて興味深いので、ブログで分析した。私の【マイケル・ジャクソンの思想】という fc2 のブログの、2014/05/16(金) 11:28:46 の「『魂の脱植民地化とはなにか』へのアマゾンのコメントに示された魂の植民地化の構造」という記事を参照されたい。
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5つ星のうち 4.0
恐るべき名著! (だが西谷氏の解説が蛇足なのでー1点), 2014/2/14
こんな凄い論文が16世紀に、しかも十代の少年によって書かれていたとは。。。 人間社会の隷従と圧政とのポジティブフィードバック機構が、明瞭に示されている。人間が自ら自由を放棄するのは「慣習」による。「国民が隷従に合意しないかぎり、その者はみずから破滅するのだ。なにかを奪う必要などない、ただなにも与えなければよい。」 ラ・ボエシは、「哀れでみじめな、愚かな民衆よ、みずからの悪にしがみつき、善には盲目な人々よ!」「その敵がもつ特権とは言えば・・・あなたがた自身が彼に授けたものにほかならないのだ。」(21-2頁)と明言している。「自発的隷従」は、「愚かな民衆」の態度のことで、これが「圧政」を維持する「薪」となるのだ。明らかに民衆こそは圧政の共犯者である。共犯者であるがゆえに、共犯をやめれば圧政もなくなる、と説くのである。これはガンディーの非暴力不服従闘争の理論の完全な先駆である。 更に圧政者に盲従する「小圧政者」の豊かでみじめな生活ぶりも的確に描かれている。この部分は、私の『東大話法』をめぐる一連の著作のまぎれもない先駆で、知らなかったことを恥じる。山上氏は、この難しい古いフランス語をわかりやすく訳すという偉業を成し遂げたが、それには十数年もかかったという。
一方、「監修者」の西谷修氏の「解説」は、まったく違った議論をしている。 彼によれば「小圧政者」の態度が「自発的隷従」だという。そして「その底辺には、圧政を被り物心両面で収奪されるばかりの無数の人々が置かれている」として、一方的に収奪されている「民衆」を想定する。圧政者はパンとサーカスとで彼らを慰撫して気を逸らさせるので、民衆も支配の継続を望むようになるという。つまり、「圧政者⇔小圧政者」関係(=自発的隷従)と、「圧政者・小圧制者⇔民衆」関係(慰撫)という二段構えになっている。これでは、民衆が不服従を貫いたところで、圧政はなくならない。「一斉蜂起」かなにかがないと、体制は崩壊しない。 西谷氏は、本当に本文を読んで解説を書いたのだろうか?
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5つ星のうち 4.0
本も良いが、受診したほうが面白い。, 2014/1/25
この本を出版直後に読んで、すぐ受診に行った。それは、衝撃的な出会いであった。呉先生は、脈を見て、舌を見ると、質問を少しするのだが、それが自分でも気づいていないようなことなのだ。たとえば私は「夜中に足がつったりしませんか?」と聞かれて、そんな覚えがなかったので「ない」と言ったのだが、その夜、夜中に起きてトイレに行こうとしたら、軽く足がつっていることに気づいた。そういえば、前からそうだったのだ! 私の知り合いは、「怖い夢を見ませんか?」とか「枕、高くないですか?」とか聞かれて、その通りだったのだが、どうして舌と脈でそういうことがわかるのか、不思議である。それから、鍼とお灸を受けるのだが、忍者の手裏剣のような速度で、何十箇所ものツボに、しかもそのど真中にバスバスと鍼を命中させていく。終わったらなんだか元気になっているから不思議だ。読むだけでも、その味わい深い世界を体験できて、医療への見方が変わる。
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5つ星のうち 5.0
利権を握る少数派による「多数派工作」を可視化, 2013/7/7
平智之氏は、工学者→喫茶店マスター→ラジオ・パーソナリティー→テレビ・コメディアン→経営者・経営コンサルタント→衆議院議員(1期で落選) という波瀾万丈の多彩な経歴を誇る。本書は、京都大学・UCLAとで学んだ幅広い知識と、多様な経験によって養った健全な常識とで武装した好奇心溢れるこの人物が、衆議院議員として国会周辺をフィールドワークした貴重な報告書である。 本書は、この日本政治の中枢領域が、如何に非常識な形で構成され、運営されているかを明らかにしている。利権をつかんだ少数派が「事務局」を作って自分たちに都合の良い構造を作り出し、その権益の一部を広く薄くばらまくことで「共犯者」を大量に形成し、さらにウソを垂れ流して「多数意見」を作り出す。原発・教育・年金・医療・公共事業・・・何もかもが同じ手口で構造化されてしまっていることが、日本社会を破綻へと導いているのである。 夕食後にあっという間に読める。選挙に行く前に読んだほうが良い。
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5つ星のうち 5.0
【必読!】「東大話法」を別角度から見る本, 2013/5/19
私は影浦教授を「言説のブラック・ジャック」と考えているが、本書は『3.11後の放射能「安全」報道を読み解く』に続く、その手際を示す第二弾である。今回のブラック・ジャックの手術台にあげられる人々は、
中川恵一 東京大学医学部付属病院准教授 大橋弘忠 東京大学大学院工学系研究科教授 一ノ瀬正樹 東京大学大学院人文社会系研究科教授 山名元 京都大学原子炉実験所教授 山下俊一 長崎大学大学院医歯薬学総合研究科長 長瀧重信 長崎大学名誉教授 櫻井よしこ ジャーナリスト
などである。特に中川恵一氏は手術台の上で大活躍する。こういった人々の発言が、目次に出ているように、
私が正しいと思うことは私が正しいと思っているがゆえに正しい 私にわからないことは存在しない 現実とは私が想像することである 私たちが正しいと思っていることは私たちが正しいと思っているがゆえに正しい 事故から目を逸らす最善の手段は既存の知識で事故を見ることである 私が(無意識に)妥当と思っていることは、皆に、そして社会に、妥当する 私の知らないことは存在しないし、私は法律も法的考え方も法の理念も知らない。私は専門家なのだから ボクこの話をする。だってしたいんだもの。ボクは専門家だからみんな聞くんだよ 失敗したのは私たちだが、問題は皆さんにある 心配ないと言っているのに心配する皆さんがおかしい。理由を私が説明してあげよう
といった命題の変形にすぎないことを、厳密に論証している。 特筆すべきは影浦氏が、「科学者」と「専門家」とを厳密に切り分けた点である。「科学者」は新しいことを探求するのであって「知らない」ことを前提とするが、「専門家」は「知っている」ことを前提とする、というのである。これは実に明快にして、目からうろこの指摘である。後者は必然的に立場主義の東大話法を使うことになる、というのが本書を読んで私が抱いた見解である。
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魂の殺人 新装版
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アリス・ミラー著
エディション: 単行本 |
価格: ¥ 3,024 |
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9 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
全人類・必読!, 2013/1/21
私が、これまでに読んだ本の中で、最も衝撃を受けたのはどれか、と聞かれたら、この本をまず思い浮かべる。育児に悩む人・自分がなぜ苦しいのかわからない人・真実などこの世に存在しないと思う人。必読。あなたが変わることが、世界が変わることなのだ。(旧版へのコメントを転載しました。)
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5つ星のうち 5.0
真実を明らかにする、革命の書, 2013/1/11
私が、これまでに読んだ本の中で、最も衝撃を受けたのはどれか、と聞かれたら、この本をまず思い浮かべる。育児に悩む人・自分がなぜ苦しいのかわからない人・真実などこの世に存在しないと思う人。必読。あなたが変わることが、世界が変わることなのだ。
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親という名の暴力
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小石川 真実著
エディション: 単行本 |
価格: ¥ 3,780 |
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67 人中、66人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
生きるためにぜひとも読むべき本, 2013/1/2
多くの人は、親との関係に苦しんでいる。より多くの人は、本当は親との関係が苦しいのに、それを苦しいと思わないように抑えこんで、あまつさえ、それを「幸せ」だと思い込むことによって生きている。それが、人類を破滅に導いている、最も危険な力だ、と私は考えている。 この問題はエーリッヒ・フロム、グレゴリー・ベイトソン、アリス・ミラー、アルノ・グリューン、そしてマイケル・ジャクソンといった人々によって指摘されてきた。本書は、この極めて重要な真理の探求に新しい次元を切り開くものである。著者は、自らの恐るべき体験を、極めて冷静かつ客観的かつ正確に記述しており、親による子どもに対する見えない虐待の深刻な悪影響という、立証の困難な命題を支えるための、強力な証拠を提供している。著者の記述はもちろん、被害者当人のものであって、それがそのままで「事実」というわけにはいかないが、しかし何らの嘘をも交えず、自らの認識と記憶とを正確に書き下していることは確実であって、決して無視することの出来ない重要性を帯びている。
「私は前書きにも本文中にも、自分が親に傷つけられた親は、自分が負った心の傷や歪みを真っ直ぐ見詰め、正しく認識して、自分を傷つけた親をきちんと恨み、そうすることによって、罪のないわが子を不当に恨みの捌け口にして、「虐待の連鎖」によって、また我が子を病ませてしまうという愚を、絶対に侵さないで欲しいと、繰り返し書いてきた。」
これが著者が、自分の人生を、余す所無くこれでもかというほどにさらけ出してまで、訴えようとしたことである。これほど重要なテーゼは、存在しないと私は確信している。
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5つ星のうち 5.0
日本の隠れた大問題を摘出【民間の天下りは大問題】, 2012/5/10
官僚の天下りの弊害は広く認知されており、全く不十分ではあるが、多少の改善の動きもある。しかし、同様のことが民間で起きており、そちらのほうが規模も大きく、弊害も総量では大きいはずだ。以前からそのことが気になっていたのだが、本書は、自ら天下った経験のある佐伯氏の体験と調査とに基づいた、重要な研究成果である。今のところ、他にこういった研究がないように思うので、価値が大きい。私は元銀行員なので、ここでわずかに言及されているだけの「銀行からの天下り」の方が、実は弊害が大きいのではないか、と感じている。此の問題についても、どなたか、実地経験に基づいた研究をなさってくださることを期待する。 民間の天下り体質をなんとかしないことには、官僚の天下り体質も治らないことを、銘記すべきである。後者は前者を含む「天下り体制」の氷山の一角にすぎないのだ。
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5つ星のうち 4.0
原発と原発事故との社会的経済的コストの全容を知るために, 2012/1/16
大島堅一氏は、原発の実際のコスト計算を緻密に行う研究によって、それが「安い」という幻想を打ち破ったことで知られている。それゆえ、タイトルが「原発のコスト」となっている。本書は、そのコスト論の背景となる事情を、平易に説明するものである。「注をつけず、大学入学したての一年生が読んでも理解できるように努力しました」と、著者自身が<あとがき>で述べている。その観点からすれば、バランスよく議論が構成されており、これを読むだけで原発と原発事故との社会的・経済的コストの全体像を見ることのできる好著である。私個人としては、被害補償の仕組みを論じる第2章が、わかりやすくて大変参考になった。 その一方で、大島氏の名を知らしめたコスト論についての議論が第3章に限定されているので、原発問題について既に知識を持ち、著者のコスト論の詳細を知ろうとする読者にとっては、肩透かしを受けた印象を抱くことになる。そういう読者は、大島氏の別の本を読むべきであるが、それらは専門書なので、敷居と値段とが高い。それに、『原発のコスト』というタイトルであれば、「コストとはなにか」という観点から入って、原発のコスト隠蔽手法と、それを著者が公開文書を用いてどのように打ち破っていったか、というスリリングな発見的過程を読みたかったと思う。高木仁三郎氏との対話とか、近藤原子力委員会委員長の「池乃めだか」流の「今日はこのくらいにしといたるわ」的な捨て台詞とか、審議会の東大話法による欺瞞的運営の実相とか、そういうエピソードも知りたい。 そういうわけで、著者にはこういう方向の新書をもう一冊、書いていただきたいと思った。
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