【ワシントン=小雲規生】アルゼンチンに約13年ぶりのデフォルト(債務不履行)懸念が強まっている。16日の米連邦最高裁判所の判断を受け、2001年のデフォルトで債務再編に応じなかった米ヘッジファンドなどへの支払いを迫られているからだ。アルゼンチンは、30日までに債権者との協議をまとめなければ、危機的な状況に一歩近づくことになる。
アルゼンチンは01年12月に対外債務の支払い停止を表明し、その後、1000億ドル(約10兆円)の債務について返済免除などの対応を求めた。05年と10年の合意を通じて、93%相当の債権者が約70%という高い割合の債務削減に応じ、返済が続いている。
しかし、減額に応じなかった一部債権者から格安で債権を買い取ったヘッジファンドなどが、「債務削減に応じていない債権者に返済を行わないのは、平等に扱う原則に反している」として訴訟を起こした。
米連邦地方裁判所は12年、ヘッジファンドの主張を認め、アルゼンチンが約13億ドルを返済しなければ、債務削減に応じた債権者への返済もできないと判断。アルゼンチンは上訴したが、6月16日には最高裁にも訴えを退けられ、支払いでヘッジファンドと合意するか、債務削減に応じた債権者に返済ができずにデフォルトするかという選択肢を突きつけられた。