アワビ:イベント炭火焼き半数が韓国産 北海道・八雲

毎日新聞 2014年06月27日 09時52分

 北海道八雲町などが5月18日に開催したイベント「第20回熊石あわびの里フェスティバル」で、韓国産アワビを地元産と偽って販売していたことが26日、分かった。養殖アワビが海水温の低下で大量死したため韓国産を緊急輸入したが、来場者に告知しなかったという。道は産地表示義務違反の疑いがあるとみて、日本農林規格(JAS)法に基づいて八雲町熊石総合支所の立ち入り調査を行った。

 町によると、イベントは地元漁協から提供を受けた養殖アワビを1個350円で格安販売し、その場で炭火焼きにして食べられる。今年は3万人が来場。約2万個を販売したが、約半数の9850個が韓国産だった。

 養殖アワビの大量死を受け、イベントの実行委員会は近隣産を使うことも検討したが、価格や大きさなどの面で折り合わず、函館市内の業者を通じて韓国から調達したという。

 実行委は「韓国産も地元産も同じエゾアワビであり、産地表示が必要と考えが及ばなかった」。植杉俊克副町長は「だますつもりはなかった。熊石産アワビを楽しみにしていた来場者に心からおわびする」と話している。【鈴木勝一】

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