現在の日本サッカーの大きな弱点
コンフェデレーションズカップとワールドカップでの残念な結果を受けて、日本サッカーにとってセンターバックの部分が最大の問題として持ち上がっていることに同意する者は多いだろう。今野泰幸はコロンビア戦で、彼はやはりCBではないことを証明した。PKを取られたタックルは無謀な選択であり、経験豊富なCBであればこのレベルでは絶対に犯さないミスだった。
中盤の選手だとすればごく自然な動きだ。ピッチの中央で行われていたとすれば、せいぜいファウルかイエローカードだけで済んでいたプレーだった。今野は中盤の選手だということだ。
ザッケローニはなぜ、彼をCBとして起用することに固執し続けたのだろうか? 答えはシンプルなものだ。ザックの評価の中では、本来のポジションではない今野であっても、日本代表が起用可能なほかの多くのCBより上だったということだ。この決断は、イタリア人指揮官が日本のCBの現状について抱いていた意見を明確に物語っている。
吉田麻也も世界レベルのストライカーとやり合うには困難を強いられている様子だったが、彼には苦しいシーズンを過ごした直後だったというエクスキューズもある。負傷の影響とサウサンプトンのコーチングスタッフの決断により、ピッチに立つ機会はわずか8回しかなかった。
いくら批判にさらされることになろうとも(日本のテレビカメラは、サムライブルーが失点を喫するたびに彼の悲しげな表情にズームすることを好んでいるようだ)、吉田が現代のCBに必要な前提条件の一つを備えていることは間違いない。身長189cmというサイズである。
そのことを考慮すれば、彼を使い続ける価値はある。コンスタントにプレーする機会が得られるクラブを見つけなければならないという条件を満たすことができればだが。
だが、吉田に続く選手は本当にわずかしかいない。森重(技術はあるが国際経験は不十分)と、おそらくは山下、それに広島の3バックくらいだろう。より若い選手を対象としても、日本には致命的なまでにCBが不足している。
この問題に対処し始めるために、採れる策は3つある。
まずは、身長が重要だという前提に同意できるのであれば(参考までに、イタリア代表とユヴェントスの3バックはバルザーリ186cm、ボヌッチ190cm、キエッリーニ187cm)、日本のクラブユースと高校は大柄な少年たちをサッカーに引き込む努力を開始しなければならない。長身の日本人がまったくいないというのは事実ではない。バスケットボールやバレーボールの選手を見てみれば分かることだ。
さらに、メディアとサポーターがCBやその他のDF陣も含めたサッカーの全体を正しく評価することで、若い選手たちがそのポジションでもプレーすることを促していかなければならない。
日本サッカーの歴史上最高の選手たちが、揃いも揃って攻撃的MFなのは単なる偶然だろうか? 中田、小野、中村、本田、香川…。
長友の成功と立身出世の物語によって、ハードワークに長けたサイドバックという新たなカテゴリは追加されたとしても、相手チームの得点を阻止するタフなDFが話題に上り評価されることは滅多にない。サッカー文化を均整の取れたものへと成長させていく一環として、変化が必要な部分だ。
最後に、日本のサッカーは「オンとオフ」のコンセプトをより良く理解できるようになることが必要だ。つまり、ある選手がピッチ上とピッチ外でどう振る舞うかを明確に区別するということだ。言い換えれば、ある選手がピッチ上で非常にラフだったとしても、そのために人間性まで悪くなることはない。
選手たちは若い頃から、アグレッシブにプレーすることを禁じられるべきではない。競争力のあるチームになるためには、自己主張が欠かせない要素であることは誰もが分かっている通りだ。
日本がワールドカップで最高の成績を残した大会が2002年と2010年であることを忘れてはならない。中田や遠藤のように技術に優れる選手がいる一方で、戸田や闘莉王のような戦士もいたチームだった。
文/チェーザレ・ポレンギ
GOAL JAPAN編集長。ツイッターアカウントは@CesarePolenghi