中日スポーツ、東京中日スポーツのニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 中日スポーツ > サッカー > 紙面から一覧 > 記事

ここから本文

【サッカー】

<目撃者>ザック監督が認めた「本物の主将」 

2014年6月28日 紙面から

 誰もが認める主将として4年間、キャプテンマークを巻き続けた長谷部。ただその重みに耐えかね、返上しようとしたことがあった。

 2012年10月の欧州遠征。所属するウォルフスブルクで開幕からベンチ外という扱いを受けていた長谷部は、監督の部屋を訪ねた。「もう少し若い選手にキャプテンを任せたほうが良いんじゃないですか」。だが、指揮官は首を振った。

 そして、次の言葉を長谷部に贈ったという。

 「私が知っている本物のキャプテンは、マルディーニとお前だけだ」

 強烈なリーダーシップを発揮し、共にACミランで栄光を手にした元イタリア代表DFを引き合いに出したザック監督の言葉に、熱い感情が胸にこみ上げたという。

 2人の間には、単なる監督と主将という関係を超えた絆があった。11年のアジア杯直前、「前回大会でやっていなくても、私は君にお願いするつもりだ」とあらためて主将に指名。ホテルから会見場へと移動する車中では、毎回2人で話し込んだ。今大会も故障明けながら当然のようにメンバー入りし、直前の親善試合2試合で起用されないながらも、本番では3試合すべて先発。チーム解散前のインタビューで、長谷部は「監督とは本当にいろんなことを話してきた。ここで話せないような話も」と笑いながら報道陣に明かした。

 敬愛する指揮官が去ることで、長谷部も主将という役割から退く決意を固めた。

 「いやもう、それは。僕は若い選手がやるべきだと思うし、それをサポートすることはできる。負ける気はないけど、自分を押しのけてもらわないと世界では勝てない」

 最後までチームのことを考え、代表の将来を思った長谷部。その姿勢こそが、ザッケローニ監督の信頼を一身に受けた要因だったのかもしれない。 (宮崎厚志)

 

この記事を印刷する

PR情報

おすすめサイト

ads by adingo




中日スポーツ 東京中日スポーツ 中日新聞フォトサービス 東京中日スポーツ