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【サッカー】

日本代表 失意の帰国も… アレッ大歓声!?

2014年6月28日 紙面から

一様に硬い表情を見せる(手前から)香川、大久保、長友=成田空港で(嶋邦夫撮影)

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 サッカーのワールドカップ(W杯)ブラジル大会で1勝もできず、1次リーグ敗退に終わった日本代表が27日、成田空港に帰国した。批判も覚悟していた選手たちは険しい表情で到着ロビーに姿を見せたが、待ち受けた約1000人のファンからは歓声が上がった。日本サッカー協会の大仁邦弥会長(69)は、退任するザッケローニ監督の後任人事に早急に着手する意向を示した。

 拍子抜け帰国−。目標に掲げた世界一とは程遠い1次リーグ敗退の惨敗で帰国した日本代表を待っていたのは、批判や叱責(しっせき)の声ではなく「キャーッ」という歓声だった。この日、主力組で唯一立ち止まって取材に応じたFW大久保嘉人(32)は「みんな厳しい声があると思ったのに…」と困惑した表情を浮かべた。

 空港の警備は物々しかった。初出場だった1998年フランスW杯の帰国時には、無得点に終わった城彰二がファンからペットボトルの水を掛けられた過去がある。この日、出発時は40人だった警備員を10人増やして対応。「フランスから何も変わってないじゃん」という横断幕を用意したファンもいたが、警備員から止められたという。

 成田空港には1000人を超えるサポーターが集まった。原博実専務理事兼技術委員長とザッケローニ監督を先頭に、主将の長谷部とエースの本田を除く選手とスタッフらが到着ロビーに登場。それぞれ痛烈な批判を覚悟していたのか硬い表情で、うつむいた。しかし、肩透かしをくらった。少数派の批判の声は歓声にかき消され、退任が決定しているザッケローニ監督が手を挙げて応える姿さえあった。

 空港から移動したホテルでも同じ光景が繰り返された。サインを求め、歓声を上げるファン。“惨敗戦士”はアスリートではなくアイドルだった。主将の長谷部が「サッカーは世界の文化。強豪国は文化として根付いているし、負ければ厳しい批判に遭う。国民の皆さん、メディアの皆さんには、もっと厳しい目でみてもらいたい」と総括して訴えたが、待っていた現実は違った。 (占部哲也)

 

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