ONE LOVEへのメッセージ
放送作家として様々な番組の制作にかかわる塩村あやかさんは、猫を動物保護団体から引き取ったことをきっかけに、一時預かりボランティアとして20匹以上の猫を新しい飼い主さんに譲渡してきました。犬猫の殺処分をなくしたいと政治の道を志すようになったきっかけや意気込みを伺いました。
人と犬の明るい未来を作るプロジェクト ONE LOVE
日本では年間に44,783頭もの犬が殺処分されているという実態があります。(平成23年度 環境省発表)この現状に対して1頭でも多くの犬たちの命を救うために、動物保護団体への寄付や飼い主さんへの啓発、保護犬文化向上のための支援に取り組んでいます。
1人ひとりの小さな“ONE LOVE”を集めて大きな力にするために、私たちに出来ることから始めませんか。
ONE BRAND(以下、O.B.) 塩村さんは放送作家として活躍するかたわら、動物愛護活動やボランティアにも積極的に関わっておられます。何かきっかけがあったのですか?
塩村 きっかけは、6年ほど前に世田谷の商店街で、「猫の里親募集」の張り紙を見たこと。張り紙に出ていた黒猫に一目ぼれしたんです。一人暮らしを始めてからは、ずっとペット不可のマンションに住んでいたので飼えなかったのですが、もともと猫は大好き!張り紙を見たときは、ちょうどペット可のマンションに引っ越したばかりだったので、迷わず引き取ることにしました。それが現在飼っている2匹の猫のうちの1匹・「たまこ」です。
引き取って一緒に暮らし始めると、やはりすごく可愛くて…。愛情が深まるにつれて「あの時、私が引き取らなかったら、この子はどうなるんだろう?もし保護団体が保健所から助けてくれていなかったら、殺処分になっていたのだろうか?」という疑問も生じるように…。それまでも、殺処分という言葉は知っていましたが、詳しい実態は全く知らなかったので、すぐにインターネット等で調査を開始。すると日本ではいまだに、たくさんの犬や猫が殺処分されていること、しかも一部では「安楽死」とは決して言えないむごい方法が採用されていることがわかって、大ショックを受けました。それで、殺処分を減らすために自分にできることをしよう!と決意したんです。
O.B. 具体的にはどんな活動をしているのですか?
塩村 最初は、一時預かりのボランティアをしていました。計20匹はお預かりして新しい飼い主さんの下へ送り出したでしょうか…。でも、ある時、お預かりした猫が病気持ちで、たまこにも感染してしまったんです。それで、治療のために普段より長く預かっているうちに、だんだんその猫に情が移ってしまって…(笑)。結局2か月後、その猫もうちの子として迎えることにしました。これが、私のブログにたまこと共によく登場している「ちみた」です。
ちみたが来てからは、預かりができなくなったので、ドネーションや物品の寄付に力を入れ、愛護団体への支援を続けさせてもらっています。放送作家として何か情報発信する時も機会があれば、動物愛護のことをPR。できるだけ多くの人に殺処分問題や保護犬・猫の存在に関心をもってもらうようにしているのも、私なりの愛護活動の一環ですね。
O.B. 周囲の方々の反応はいかがですか?
塩村 殺処分について深く知らない方が多いので、皆さん驚かれます。そして「次に犬を飼うときは、保護犬を飼うよ」と言ってくださった方や、実際に保護犬を飼ってくださった方も!もちろん誰にでも譲渡すればよいというわけではないですが、きちんとした手順を経た譲渡が進めば、殺処分数の削減につながるはずなので、これからも積極的に周知を続けていきたいと思っています。
O.B. 殺処分問題を始め、日本の犬や猫を取り巻く問題について、塩村さんご自身はどのように考えていらっしゃいますか?
塩村 まずは動物をモノのように扱う風潮を、変えていかねばなりません。いまだに繁華街で子犬や子猫を展示販売しているペットショップを見かける度に、とても残念な気持ちになります。まるでバッグのように動物を売る店、バッグのように買い、バッグのように捨ててしまう人たち…。こんな状況を子どもたちに「当たり前だ」と思わせてはいけませんよね。逆に子どもたちには、動物の命も人の命と同じくかけがえのないものだということを教え、人間力のある大人に育てるべき。そうすれば、時間はかかりますが、ヒトと動物との関係が改善されるのではないでしょうか。大きなビジョンを見据えつつ、目の前の問題に一つずつ取り組んでいくといった具合に、2つの軸で進めて行けば、いつかきっと根本的な問題解決につながるのではないかと思っています。
O.B. 塩村さんは政治家としても活動を始めており、2013年6月には都議会議員選挙に立候補されると伺っています。政治家としては、動物愛護のためにどのような活動ができると考えていますか?
塩村 政治家の一番の役割は、様々な意見に耳を傾けること。動物愛護にかかわる皆さんにも、ぜひ気軽に率直なご意見やご要望をお聞かせいただきたいと思います。政治家は調整役として、意見を取りまとめ、条例等に落とし込んでいきます。ただ、動物愛護に対する考え方は実にさまざま。せっかく「殺処分反対」という目的は一致していても、アプローチの仕方が異なるために、団体同士で意見の衝突や対立を起こしているケースもあります。ペット販売業者や行政への批判を繰り返す方もいます。でも、各自が自分の意見だけを主張していては、いつまでたっても前に進めません。私は様々な方の意見を理解したうえで、「前向きな提案」をし、それを実現する方法を皆様と一緒に考えていきたいと思います。
もちろん非常に難しい問題なので一朝一夕に解決、というわけにはいきませんが、5年先、10年先を目指して今できることに真摯に取り組んでいきたいですね。動物と人が幸せに共生できる社会を目指して、一緒に頑張ってまいりましょう!
O.B. 塩村さん、ありがとうございました!