成長戦略の一つとしての法人税率引き下げ論議と並行して、もう一つ、税制に関する大事な案件の検討が進んでいます。来年10月の消費再増税(10%)に合わせた軽減税率の導入です。

 軽減税率については、自民党と公明党が八つの案を示しています。飲食料品をすべて対象とすると、1%あたり6600億円の税収減。仮に消費税10%時に飲食料品の税率を5%とすれば、増税分も含めて3.3兆円の税収が失われます。

 軽減税率は低所得層対策という触れ込みですが、専門家の評判は散々です。いわく「高所得層も恩恵に浴し、効果が減殺される」、いわく「軽減対象品目の決め方が難しく、政治的な恣意(しい)性を招く」。