ピュアすぎるというと婉曲で、白痴的なまでに主人公を愛する女性キャラクターが苦手だ。痛々しくて見るに堪えない。
あるいは、ゆる4コマに出てくるアレとかコレとか。
おれは何も彼女たちの振る舞いや発言がイタいから見るに堪えないのではない。
彼女たちが主人公、ひいては読者を愛する役割を背負わされたがために、知能を剥奪されているようで辛いのだ。
あるところに人間がいる。孤独で純粋で、自分に自信が持てなくて、不幸なことにあまり頭が悪くない人間がいる。
そいつは現実では満たされずに過ごしている。仕事も人間関係もぱっとせず、そいつを特別だと扱ってくれる人間とまだ出会えていない。もしかしたら死ぬまで出会えないかもしれないという漠然とした不安と寄り添って生きている。
自分では自分のことをあまり好きになれないし、自分の中に特別な何かはないと、うっすら分かっている。
自分を特別なものと思いなして愛してもらえる姿なんて想像もできない。でもそういう愛を求めて止まない。
そいつはこう思う。
愛してもらうには、普通の損得勘定ができるやつでは駄目だ。それは自分を選ばないかもしれないし、見捨てるかもしれない。特別なものがないと思われるのも嫌だし、それを自分に突き付けられるのも嫌だ。
損得勘定の計算ができないくらい頭が悪く、ただニコニコと自分のことを受け入れて笑ってくれるものがいればいい。
自分以外の異性をそもそも心に入れられないくらい視界が狭ければいい。
何もできない自分が与えるもので満足してくれるくらい頭が弱ければいい。
自分と交わした他愛もない何かで頭がいっぱいになるくらい、愚かなまでに純粋であればいい。
それくらいじゃないと、愛されるイメージができない。
以上のことは極端に描き出した例で、実際はここまでのものを望んでいないんだろうけど。
でも、世界のどこかにいるそいつは、多かれ少なかれそういうことを考えるんだと思う。
そういう奴の求めに応じて(あるいはそういう心の隙間を仮定して)、今日も可愛い女の子から知性とか損得勘定が毟り取られてるのかと思うといたたまれない。
おれは何も彼女たちを哀れんでいるのではない。
彼女たちから何かを奪わないと愛されているイメージすらできないそいつの、おれの、おれたちの、これまでとこれからについて考えると、ただ、少しだけ。
なにわけわかんねーこと言ってるんだ? 現実の複雑な人間をそのまま描いてもわかりにくいから、悪役と善役にわけて話進めてるのに、「こんな完全に善悪分かるわけないじゃん」とか...
もしもジュリエットが賢い娘だったら、シェークスピアはそんなに有名じゃなかったと思うよ。 白痴ヒロインあけぼのは多分箱開けた娘なんだろうけど。イブってのもある。 男はなぜか...
ジュリエットは14歳のまさに中学二年生のストーリーだから、リアルに馬鹿なだけだろ。