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 台湾を訪れていた中国の張志軍(チャンチーチュン)・国務院台湾事務弁公室主任(閣僚)は、帰国日の28日、前日に激しい抗議にあったため予定された日程をほとんど取り消した。共産党の一党支配で言論の自由が制限される中国と違い、様々な意見を認める民主主義の「洗礼」を受けた形だ。今後の中台関係に影響する可能性もある。

 張氏は今回、中国に抵抗感を持つ人が多い中南部をあえて訪れた。交流の幅を広げる狙いだったが、各地で「中国と台湾は別」と考える人たちの抗議に遭い、27日夜には車に白い塗料を投げつけられた。警備担当者は塗料まみれになり、張氏の顔はこわばっていた。