「正直涙声になりました―」
セクハラヤジを受けた塩村文夏議員のFCCJ外国特派員協会での会見動画です。東京都議会議員として一周年を迎え、本会議で初めて一般質問をした時に起こった出来事を自身の言葉で話します。
【講演者プロフィール】
1978年生まれ。エッセイスト、放送作家、元グラビアアイドル、東京都議会議員。都議会議員となった後は、都議会会派「みんなの党 Tokyo」副幹事長、厚生委員会 副委員長(2013年より)、動物愛護管理審議会 委員(2013年 – 2014年)、東京都議会東京多摩国体推進議員連盟、と言った活動のほか、動物愛護に関連した活動も行っている。(Wikipediaより)
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塩村文夏 みんなの党、東京都議会議員(1)
※この動画は著作権者様の許可のもと書き起こしをしています。
【動画提供元】
JCC株式会社様
「残念ながら女性蔑視としか思えないような発言が幾つか耳にも入ってきた」
司会:みなさんなぜ今日集まっているのかということについてはよくご存知だと思います。先週の水曜日何が起こったのか、そしてその後色んな展開があったわけでございます。非常に大きく注目されているニュースでございますが、その中心にいらっしゃる方が今日ご自分のお言葉でこの経緯についてご説明して頂きます。多くの方々はご存知ないかもしれませんが、ちょうど昨日東京都議会議員として一周年を迎えたばかりの先生でございます。そして先週の水曜日でございますが、本会議で初めて一般質問をされました時に色んなことが起こったわけでございます。本当に火の洗礼を受けたということが言えるのではないかと思います。ではこれから先生ご自分のお言葉で経緯をご説明頂きたいと思います。
塩村:座ったままで失礼致します。東京都議会議員の塩村文夏です。今日はお忙しい中お集まり頂きまして本当に有難うございます。18日東京都議会で初めての一般質問を行いました。前回の定例会では質問ではなく、討論というものに立っており、あの場に経つのは2回目でした。しかし、今回が初めての一般質問となりました。私が今回訴えておりましたのは、2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けての受動喫煙対策、動物愛護、そして悩める女性たちの妊娠・出産・育児、そういった女性たちをどのように東京都がサポートしていくのか。そのような質問をしておりました。
塩村:最初の方からヤジがなかったかといえば、そうではなかったと思います。前回の討論の時も、むしろそちらの方が激しいヤジを浴びておりましたが、その時は政策に対するものそして私個人に対するものが多かったように思いますので、そこは問題になることなく終わりました。今回なんですけれでも、最初は受動喫煙対策、動物愛護、そして今回騒動となりましたヤジが飛んだ部分の妊娠・出産・育児に悩める女性たちのサポートをどのように東京都がしていくのかという質問に入った時にですね、私は未婚ですので、まずは私が結婚をした方がいいというような不規則発言・ヤジが耳にポーンと入ってきました。ヤジはある程度覚悟して臨んだものだったのですが、まさかそんな古典的なヤジが本会議場で飛んでくるとは思いませんでしたので、覚悟して臨んだ質問だったとはいえ、余りにも不意をつかれてしまいまして、耳を疑って一瞬止まってしまいました。
塩村:その時一瞬やはりとても大きな声でしたのでその声がした方を思わず無意識に向いてしまいました。その結果質問が少し止まってしまったので、その間にあっ止まってしまったということと、そのような考えのヤジといいますか不規則発言がこの場であるんだということで、少しびっくりしたのと不意打ちを食らったという形で悲しみがありましたが、苦笑いで終わらせようというかそうなってしまいまいした。その時も私は質問を止めるわけにはいかない思いました。
塩村:1年待ってようやく得た一般質問。11分間ですからこの機会を失いたくないというのが一番の気持ちで、スピーチを続けていきました。不適切な発言といいますかヤジといいますか不規則発言があったときにですね、余りにも大きな声だったので周りの方もこれはおかしいんじゃないかと思った人もたくさんいるとは思うのですが、雰囲気として逆に笑いが起こって、そのような発言で皆さん楽しんでいるような状況になってしまいました。そういう状況を感じながら私はどんどんと不妊治療であるとか子育てとか悩みを抱えた女性達の顔、相談に来てくれた人の言葉などが頭に浮かんできまして、とても申し訳ない気持ちになってどんどんと悔しい気持ちが増していきました。
塩村:私はそのスピーチ中に色々な声が耳に入ってきまして、全てを拾うことは難しいですし、私も大きな声を張り上げながらスピーチをしていましたので全てを拾っているわけではないんですけれども、残念ながら女性蔑視としか思えないような発言が幾つか耳にも入ってきたような気もしますし、それについてほんとに笑って面白がっているような雰囲気が少し伺えまして、スピーチ中もほんとに複雑な気持ちになりながら続けていました。このような状況になった時に、最初に大きな声で飛んだ不規則発言の時に、議員であるならばおかしいんじゃないかということで、いさめるようなことがあってもあってもいいんじゃないかなと思いましたし、逆にそのようなことがなく、面白がるということが続いた所が一番ショックでした。
塩村:私が笑われたのであれば前回の討論の時のように続けることもできたんですが、今回の件は私自身だけではなく女性全体、そしてその家族の皆さんも侮蔑するような状況になってしまったという所が私はとても残念です。スピーチをしていた時には少し涙声になりました。正直涙声になりました。涙を流すことはなかったんですが、スピーチを終えて席に戻った時に、少しふと顔を上げた時に、あのような状況をおかしいと思っていないような雰囲気が議場に広がっておりまして、そのことに対して座ってから少し涙がこぼれました。
塩村:会議が終わりまして控室に戻った時に、もしかしたらすぐに、あの時はちょっと申し訳ないと、ちょっと大きな声でヤジってしまったと該当する議員の方が来てくださるのかなと思っておりました。しかし、来たのはその方ではなく、記者の方々でその時の状況を見ていて知っていたので、色々と問題だと思って来て下さいました。
塩村:翌日に新聞記事に載りました。そこで名乗り出て下さるのかなと思いましたが、それもないままに昨日になりまして、それまでもうちの会派の方で声の聞こえた方の会派さんの方にですね、抗議と言いますかいったんですけれども、証拠がないということで、そのようなことを言われても困るというような報告を受けました。正直非常にびっくりしまして、結局証拠を出せというような論調になっていまして、名乗り出るというようなことを待っていたんですけれども、それはありませんでした。18日に処分要請書というものを議長宛に出しました。このようなことが首都東京の都議会であっては私はいけないと思っています。
塩村:該当する、その時は議員の名前がわからなかったので、結局それが理由で受け取ってもらうことができずに、3日以内に出さなくてはいけないという期限を過ぎてしまいまして、それを受け取ってもらうことができませんでしたので、地方自治法上の手続きを踏んだ処分というものが難しくなった、結果的にできなくなったという状況になりました。そして知事の会見も記者の方などから聞いたのですけれども、もちろんあの発言に関しては「いいものではない」、「許されるものではない」というような内容であったそうなのですが、議会のことは議会のことでというようなコメントであったそうです。つまり議会のことは議会のことでということで議会の方に処分要請書を出したのですが、結果その人を特定していないということで受理されませんでしたので、八方ふさがりになってしまって、大変に困っておりました。
塩村:その後にやはりマスコミ等の報道がかなりありましたので、昨日該当する議員さんの方から名乗り出て頂いて謝罪があったという形になっております。名乗り出て頂いた方は一人ですが、色々な不規則発言をした方々は決して一人ではなかったと思います。一人が名乗り出て終わってはいけないと思いますし、再発防止をするという点でも名乗り出て頂きたいと思っていますし、これをきっかけに首都東京の都議会が変わっていくことを望んでおります。ありがとうございました。
「議場内暴力がなくなるような動きを始める気持ちはあるかどうか」
記者:HKWメディアリポートのワタナベです。これはヤジじゃなくて家庭内暴力というか議場内暴力ですよね、この暴言は。これを平気な顔をして笑っていたということは、都議会だけではなく各地方議会で起こっていることだと思うんですよ。アベノミクスで安倍さんはしっかり女性の地位向上・社会進出を言ってらっしゃいますが、一般男性の心理としてはヤジをやっても当たり前じゃないかと。家庭内暴力を当たり前だと思うように、議場内暴言・議場内暴力は当たり前だと言っている。平気で全然気にしなかったと言っていること自体が問題だと思うんです。これを防ぐために色々と考えてらっしゃると思うのですが、心ある男性メディアの人、それから議員さんを集めて連絡協議会のようなものを作ってこういう議場内暴力がなくなるような動きを始められるお気持ちはあるかどうか。それともう一つこれは忠告ですが、急に有名人になられたことですから、ここ数日・数ヶ月一挙一動あれば何かにつけてケチをつけられます。ジェラシーでもありますし、生意気だということでもありますから、特に行動は注意されますようにご忠告致します。ありがとうございます。
塩村:ありがとうございます。色んな動きに関しましては、今日東京都議会で議会運営委員会、議運と呼ばれているものの方で、色々なことを考えていきたいというような申し入れをするということをうちの会派の幹事長の方から聞いております。これから動きがあるものと思っております。うちの党、みんなの党の方からも連絡がありまして、党の方からも官邸に申し入れをしたいというようなことを先程電話で受けました。
記者:個人でのネットワークでは考えていないのですか。
塩村:個人でのネットワークですか。そこは考えていないですね。皆さんと一緒に考えていきたいと思っていますので、一人でどうこうということはまだ考えていないですね。
記者:一人でということではなくて皆さんに呼びかけてネットワークを作るということは考えていらっしゃいますか。
塩村:そこは考えていないですね。まずは都議会での問題に集中していきたいと思っています、都議会議員の皆さんと。
「ヤジを飛ばした人は高齢の人ではないかと思ったが写真を見て驚いた」
記者:ドイツのフリーの者でございます。最初ニュースを聞いた時には、ヤジを飛ばした人は結構高齢の人ではないかと思ったのですが、新聞の写真を見てびっくり致しました。非常に若い男性だったからでございます。先生に伺いたいのでございますが、このような差別的な発言は今までもご経験されていますのでしょうか。個人的な面でも仕事の場面でもそういったものがありましたでしょうか。
塩村:私は前職が放送作家ということもあり、マスコミにいましたのでないということは全くないですが、会議の場ですとか公式の場で受けたことは一切ありません。
「安倍首相に意見を聞いてみたいと思うか」
記者:デンマークの特派員でございます。先程実際の都議会の中での手続きを踏みながら人物を特定しようとされたという話があったのでございますが、八方ふさがりというようなご印象を受けたそうでございます。今振り返ってみますと、この担当者の対応をどう評価されますでしょうか。臆病な対応だったと思いましたでしょうか。問題を大きくしたくない、できれば難しいことから逃げたいというものだったのでしょうか。あるいはこのようなヤジはしょうがない、あまり問題ではないと思ってあまり協力したくないというような感じを受けましたでしょうか。そしてもう一つの質問でございますが、安倍首相は女性の人権を養護しよう、地位を高めようとしているわけでございますが、今回はこの件についてご発言がないと思うわけですが、これについてどうおもいますでしょうか。
塩村:まず最初の質問については、やはりあまり問題を大きくしたくないんだなという風には感じました。犯人が見つからないということであれば、そしてそこから先の手続きができないということになれば結果としてなかったことになるという風に思いますので、そこはやはり問題はなかったことにしたいんだなという印象は受けました。2つ目の質問ですが、コメントは頂きたいとは思ってはいますね。やはり安倍総理は女性を掲げて成長戦略ということでやられておりますので、思う所は絶対にあると思うんです。意見を聞いてみたいと私は思います。
【つづく】