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【大リーグ】

リンスカム、自身2度目のノーヒッター またもパ軍戦、同一球団で2度は史上2人目

2014年6月27日 紙面から

◇ジャイアンツ4−0パドレス

 史上2人目となる同一チーム相手に2度ノーヒッター!! ジャイアンツのティム・リンスカム投手(30)は25日(日本時間26日)、地元サンフランシスコでのパドレス戦で無安打無得点試合(ノーヒッター)を達成した。米複数メディアによれば、113球で1四球のみ、6奪三振の“準完全”という内容だった。昨年7月13日の同カード以来自身2度目の快挙で、同一チーム相手に複数回のノーヒッターはアディ・ジョス(インディアンス)がホワイトソックス相手に1908、10年に達成して以来史上2人目。また、ジ軍投手の複数回達成は109年ぶり2人目だった。

 2年連続で同じパドレス相手の偉業は、新しく生まれ変わった“技巧派”での達成だった。9回にリンスカムがマウンドに上がると、本拠地AT&Tパークの満員の観衆4万1500人が総立ちの拍手で背中を押した。最後の打者ベナブルを79マイル(約127キロ)の真ん中低めスライダーで平凡な二ゴロに打ち取ると、ガッツポーズ。駆け寄ったサンチェス捕手は両腕で殊勲の右腕を天高く抱え上げ、そこに集まったナインで肩を組み、歓喜のダンスを踊った。

 「ノーヒッターなのは分かっていたけど、頭から追い出して目の前の打者に集中した。今は『本当に最高』としか思い付かないけど、いずれ年を取ったら、もう少し実感が湧くと思うよ」。リンスカムは、はにかんだような笑顔で語った。

 昨年7月もパ軍相手にノーヒッターを達成した。同一チーム相手に2度達成はメジャー史上2人目で、ジ軍投手の複数回達成も通算373勝の殿堂右腕クリスティー・マシューソン(1901年、05年)以来109年ぶり2人目という快挙。今季メジャーでは、ドジャースのカーショーがわずか1週間前の6月18日、ロッキーズ戦で達成して以来3人目だった。

 試行錯誤の末に、新たな投球術を身に付けた。「球の切れはいまひとつだったから、制球で勝負した。以前ほど三振は狙わないんだ」とリンスカム。2008、09年にサイ・ヤング賞を獲得した当時は150キロ台後半の直球で押しまくった。だが、極端に球離れを遅くする独特なフォームのために制球難に陥り、力を抜いて変化球に磨きを掛ける制球重視のスタイルに変更。この日は投球全体の36%が直球で、これはここ3年間で最少の割合だった。最速92マイル(約148キロ)も2球だけ。130キロ前後のスライダーとチェンジアップを丁寧に低めに集め、ここ3年間で最多の12個のゴロアウトを奪った。

 パ軍の主軸ヘドリーも、その変身ぶりに目を見張った。「本当に尊敬するよ。かつての剛速球はないが、苦労を重ねて今のスタイルを確立したんだからね」

 15日に30歳の誕生日を迎えたばかりの背番号55は、まだまだこれから輝かしい瞬間をファンに見せてくれるはずだ。

 

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