茂木ママ　史上初産休復帰戦Ｖだ　３打差１１位発進

　▽２６日、千葉県袖ヶ浦市・カメリアヒルズＣＣ（６５１６ヤード、パー７２）▽雨、気温２２・７度、風速１・７メートル▽賞金総額１億４０００万円、優勝２５２０万円▽１２０選手▽観衆１５８２人

　２月１２日に第一子を出産した茂木宏美（３７）＝赤城ＣＣ＝が、産後４カ月でツアーにスピード復帰。５バーディー、２ボギーの６９で回り、首位と３打差の３アンダー１１位につけた。史上初の産休復帰戦Ｖ達成も夢ではない。６アンダー首位はアン・ソンジュ（韓国）、１打差の５アンダー２位に酒井美紀（２３）＝国際スポーツ振興協会＝、４アンダー３位に服部真夕（２６）＝ＬＩＸＩＬ＝ら８人が続く混戦。森田理香子（２４）＝リコー＝はイーブンパー５９位、横峯さくら（２８）＝エプソン＝は１オーバー７７位と出遅れた。

　“茂木ママ”が出産前と変わらぬポーカーフェースで、こっそり偉業を達成した。公式記録はないが、産休からのツアー復帰初日にアンダーパーで回った選手は過去に見当たらない。樋口久子も森口祐子も塩谷育代もできなかった快挙！？を、しかも堂々６９をマークしてやってみせたのだ。

　「ラウンド途中で子どもが気になることはなかったけど、ボギーを打った後とか、今までなら鬼の形相してたような場面で『あ、こんな顔してたら娘に泣かれるな』と思ったりして…」と茂木。心はおだやか、しかしゴルフは力強かった。

　出だしの１番で４メートルのバーディーパットを決めると、２番でも５メートルを沈め連続バーディーのロケット発進。その後も８、９番で２度目の連続バーディーを奪い、後半は「課題も出ましたね」と１１、１６番でボギーもあったが、最終１８番パー５は残り９０ヤードの第３打をピンハイ（ぴんの真横）５０センチにつけるスーパーショットでバーディー締めだ。

　「緊張はしたけど、思ったほどではなく、１打打ってホッとして、バーディーとってまたホッとして…って感じでした。自分のことをいろいろチェックできたし、いい一日でした」。イクメンパパの窪田大輔さんが愛娘・和奏（わかな）ちゃんをベビーカーに乗せ、完全バックアップ体制を敷く。それだけに「ゴルフ場に入ったらプロゴルファーに徹する。だからここでは抱っこもしないようにしてます」という茂木。夫婦二人三脚から家族三人四脚のツアー転戦に。小さな命の誕生が茂木のゴルフをパワーアップさせている。　（月橋文美）