容疑者の男、新潟地裁から逃走　５分後に逮捕

　２７日午後３時１５分ごろ、わいせつ目的略取未遂容疑で逮捕され、新潟市中央区の新潟地裁で勾留質問を受けていた無職喜納尚吾容疑者（３１）＝新潟県新発田市＝が逃走した。約５分後、約３５０メートル離れた新聞販売店に逃げ込んだところを駆け付けた警察官が取り押さえ、単純逃走容疑で現行犯逮捕した。

　県警と地裁によると、勾留質問は午後３時ごろから地裁１階の勾留質問室で始まり、室内にはほかに男性裁判官と女性書記官がいた。喜納容疑者はいきなり机の上に立つと、そばの窓の鍵を開け、逃走防止柵を乗り越えて逃げた。けが人はなかった。

　喜納容疑者は勾留質問が始まる前に裁判官の指示で手錠、腰縄が外されていた。移送を担当した警察官４人は、廊下などで警戒していた。地裁職員の大声を聞き建物の外に出た警察官が、裁判所の外を容疑者が走っているのを発見、追いかけて取り押さえた。

　勾留質問中の容疑者の身柄について監督責任がある地裁の青野洋士所長は「国民に不安を与え申し訳ない。再発防止に早急に対策を取りたい」とコメントを発表した。

　喜納容疑者が逃げ込んだ新聞販売店の渡辺大助店長（３４）は「いきなり入ってきたので驚いた。捕まった後も体を揺すって逃げようとしていた」と硬い表情で話した。

　喜納容疑者は、別の二つの事件で、強姦（ごうかん）罪などで起訴されている。