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あいりん地区・生活に潤い「ひと花」活動

高齢保護受給者「社会に貢献うれしい」

 大阪市西成区のあいりん地域(釜ヶ崎)で、高齢単身の生活保護受給者に菜園作りや文化活動、ボランティアなどに参加してもらう「ひと花プロジェクト」が成果を上げている。

 時間をもてあまし、孤立しがちな保護受給者に「やること」を提供し、生活の張りと仲間ができるようにするのが目的だ。参加者から「日々の暮らしが大きく変わった」「酒やパチンコが減った」といった声が出ている。

 就労指導の対象にならない高齢の保護受給者を対象に、前向きの生活を支援する事業は全国初。地域再生を目指す市の「西成特区構想」の中で提案され、生活保護施策の一つである自立支援プログラム(厚生労働省が全額補助)として昨年7月に始まった。

 65歳以上が対象で、福祉事務所の打診に応じた100人余りが登録している。菜園は通称三角公園近くの空き地を借りて大根、ネギ、キャベツなどを育てており、週2回、農作業をして収穫を食事会に利用する。公園の草刈り、体操、映画観賞、折り紙といった多彩なプログラムも開催。本人の希望に応じて参加する。

 参加者の多田雄一さん(66)は保護を受けて3年になる。「以前は午前中から酒を飲んでいたが、生活スタイルが変わった。みんなの輪の中に入って少しでも社会貢献できたら、うれしい」と言う。

 亀谷長孝(かめやちょうこう)さん(69)は「保護を受けて4年間、社会に引け目を感じていたが、今は人間らしい暮らしになっている。いろんな催しを手伝うことで、張り合いができた」と笑顔を見せる。

 今年度の事業費は約2500万円。NPO釜ヶ崎支援機構など地元の5団体が共同で受託した。JR新今宮駅近くに拠点を置き、精神保健福祉士ら4人のスタッフが活動を支えている。

 区の担当課長は「公園や集会所の清掃など地域に役立つ活動もあり、受給者に対する市民の見方が変わるかもしれない」と話す。

 3月16日にはメンバーの活動発表を兼ねたシンポジウムが区内で開かれる。

 松崎喜良・神戸女子大教授(公的扶助論)の話「就労による経済的自立だけが自立ではない。生活保護から抜け出せなくても、人が社会とつながり、生き生きと暮らせるようにするのが福祉。全国のモデルになりうる取り組みだ」(原昌平)

2014年2月27日 読売新聞)

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