ここから本文です
最終更新:2014年6月27日(金) 20時1分

LINE乗っ取り続発、被害者が語る手口

 多くの人が利用している無料通信アプリの「LINE」ですが、今、LINEのIDが乗っ取られる被害が相次いでいるのをご存じでしょうか?乗っ取り犯の手口は?目的は?被害者の証言から探ります。

 「忙しいですか?手伝ってもらってもいいで$9$+!)!W

 疎遠にしていた友人から突然届いたLINEのメッセージ。返信すると、1分もたたないうちに・・・

 「近くのコンビニエンスストアでwe bmoney の プリペイドカードを買うのを手伝ってもらえますか?」

 「web money」と呼ばれる電子マネーの購入を依頼する内容のメッセージが届きました。実はこのメッセージ、利用者の意に反して送られたもの。LINEのIDを乗っ取った犯人によって勝手に送られたものなのです。

 「そんなことあるのかという感じです。頭が真っ白になりました」(LINEが乗っ取られた男性)

 LINEが乗っ取られている・・・自分では送ったはずのないメッセージが勝手に友人に送られていたのです。

 「私が(LINEに)ログインしようとしたときには、もう(ログイン)できない状況。結局、メールアドレスとパスワードを入れたんですけど、アクセスできませんでした」(LINEが乗っ取られた男性)

 男性のLINEでは、こうして200人ほどの友人に勝手にメッセージが送られたとみられています。そのメッセージをよく見てみると、どこかぎこちない日本語が・・・。

 「ポイソトカードについては直接つンユビ二行て店員さんに聞いたら、教ぇてくれると思いますけど」

 では、一体、誰が何の目的で男性のLINEを乗っ取ったのでしょうか。男性の知人の中には、乗っ取り犯の要求通り、電子マネーを購入してしまった人がいるといいます。

 「仕事柄、つきあいのある知人なので、そういったもの(電子マネー)が必要な環境にあるのではないかと思って、その時点で疑うということをしませんでした」(電子マネーを購入した知人の男性)

 要求通り、6万円分の電子マネーをコンビニで購入してしまった知人の男性。乗っ取り犯は、購入した電子マネーのシリアルナンバーを写真で送るよう指示。一体、なぜ、写真が必要なのでしょうか?知人の男性が購入してしまった電子マネーの仕組みは、コンビニなどでポイントを購入すると、シリアルナンバーが発行されるもの。インターネットで買い物をするときなどにそのシリアルナンバーを入力すると、決済ができるようになっています。知人の男性が購入した6万円分の電子マネーのシリアルナンバーを写真で送信させて入手することで、乗っ取り犯は電子マネーを自由に使えるようにしていたのです。

 「本当に困っているんだろうと思いましたし、6万円という金額の大きさを考える余裕もなかった」(電子マネーを購入した知人の男性)

 では、一体、なぜ、LINEのIDは不正にログインされてしまったのでしょうか?専門家は・・・

 「昨年の前半に大手プロバイダーやネットサービスから大量のパスワードが流出しました。それをもとに、犯人は(LINEなど)いろいろなサービスに不正ログインをかけているわけです」(ITジャーナリスト 三上洋さん)

 インターネット上のさまざまなサービスを利用するためのパスワード。多くの人は同じパスワードを使い回しているため、そのうちの1つのパスワードが流出すると、他のサービスで不正にログインされるなどの被害が出てしまうといいます。実際にLINEの利用者に聞いてみると・・・

 「(パスワードは)だいたい似たような感じにしてます。(Q.なぜですか?)忘れないように」
 「基本的には(パスワードは)わかりやすい誕生日とかで共通にしているので、いちいち変えるというのは面倒くさいですね」(LINE利用者)

 今や、日本のLINEの利用者は5000万人以上に及びます。LINEによりますと、把握している乗っ取り被害は303件に及ぶということですが、それ以上に不正ログインが行われたと想定しているとしていて、警視庁もLINEから資料を集めるなどして調べを進めています。(27日18:14)

2014年6月28日(土)のニュース一覧

社会

政治

経済

国際

スポーツ