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【関西の議論】“お荷物”半世紀前の「軽量鉄骨建築」、震度7への耐震性持たせた大阪・枚方「木造フレーム+耐震リング」の“凄さ”
その場合、工期の間、仮園舎を設置しなければならないが、大きな敷地をもつ小中学校と異なり、その用地の確保も容易ではない。
さらに、年間通じて長期休みのない保育園はもとより、幼稚園も、工事により、安全管理面も含め運営への支障は免れない。
当然ながら建築費用も1施設につき、2億円以上はかかり、工事も市外の大手企業への発注にならざるを得ないなど、多くの難問が立ちはだかる。枚方市が始めているのは、こうした難問をすべて解決する取り組みなのだ。
ただものではない「木造フレーム+耐震リング」
枚方市が採用したのは、木造のフレーム。幅は1・2メートル、高さは3メートルで、部材は一般的なスギ材だ。
枚方市御殿山南町にある高陵幼稚園(定員140人)の場合、軽量鉄骨平屋建て延べ約700平方メートルに対し、木造フレームを計6体設置しただけで、築約40年の軽量鉄骨平屋の耐震改修を終えた。
工期は夏休み期間中の約1カ月で終了し、工費は約500万円だった。もし改築を選択すると、工期は半年ていど、工費も単純計算で2億3000万円ほどはかかるという。
この木造フレーム、実はただものではない。
杉材の木の枠の中に「樹脂製の耐震リング」が16個配置されている。この耐震リングは木造住宅や文化財の耐震化に広く使用されているが、ひとつあたり650グラムと軽量ながら、平均的な例では、住宅の場合、1坪あたり1個設置すれば、阪神大震災級の震度7に十分耐えうるだけの機能をもっている。
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