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オリエン資料テンプレ付!展示会を失敗させないためのオリエンテーション資料の作り方

7月以降大きな展示会が続くが、展示会を成功させるためには、どのような施策をしなければいけないか。それを検討する際に初めの重要なアクションが、オリエンテーションだ。展示会実施をサポートする側にとっても、クライアントと情報を共有する場 “オリエンテーション” は、重要な儀式といえる。
しかしながら、多くのオリエンテーションは形骸化し、スタートから共有されずにそのまま展示会終了という事が、多くはないだろうか。たとえば、出展することが目的になっていたり、目標が定量化されていないなど、最初から違う方向に向いているケースは少なくない。

今回のブログは、展示会を成功へと導くオリエンテーションシートの作り方を紹介したい。

2014/06/27

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そもそも、オリエンテーションとはなにか?

オリエンテーションを調べてみると、
“新しい環境に順応させるための教育と指導要項”

とある。
または

“方向付け”

“オリエンテーリング”の“オリエン”は方向という意味で同じだ。
展示会は様々な社内外の協力者を通じて、展示会を円滑にこなす必要がある。そのための初めの方向付けと協力を仰ぐ際に必要となるのが、オリエンテーションだ。オリエンテーションが疎かになると、協力会社を選定する際にも適切な評価ができない。
また、実際に実施後のギャップ分析すらできない。何度も書いているが、展示会は非常にコストがかかる販促活動の一つだ。展示会を成功させるためにも、やはり出展側が熟考し、オリエンテーションに臨むべきだ。それでは、展示会を成功へと方向づけるためにはオリエンテーションに何が必要かを考えたい。

展示会を成功へ方向付ける7つの方法

1.目的と目標の設定

サポートする側に対して何を伝えることが重要か。まずは、あるべき姿を伝えることだ。展示会に出すことによってどうなりたいか?それが目的だ。
そして、目的に対して、どこまでの基準まで、何を達成すべきか?それが目標だ。目標は、定性目標と定量目標の二つを設定することから考えたい。

2.現状の把握

あるべき姿が見えてくると、次に取り組むべきは、現状の洗い出しだ。展示会なら、やはり昨年の出展状況の確認だ。競合企業のコマ数はどうだったか?自社のリード獲得状況はどうだったか?施策は何をしたか?そしてその結果はどうだったか?来場者と出展内容がミートしていたか?どうかも重要だ。
まずは、いまある過去の記録を元に現状を洗い出すことから始めよう。

3.課題の抽出

新規出展であろうが、継続出展だろうが課題は必ずある。目標を達成するためにどのような課題があるのかを検討したい。課題の抽出は、現状とあるべき姿の差、つまりギャップが課題だ。よって前回の展示会における分析も重要だ。想定値より、どのようなギャップが発生し、何が原因だったのか。さらに[会期前][会期中][会期後]と時間軸で考えると出しやすい。

4.解決の提示

課題の解決策と言うと難しく聞こえるかもしれない。そこで、検討すべきは改善だ。展示会の多くは継続的に出展することが多い。毎年改善していくことで、より良くする。何が課題で、それを改善するとどうなるのかを検討いただきたい。
改善するための方法は、すべて仮説からはじまる。
たとえば、
■課題
前回の展示会はブース内に人は入っていたように思えたが名刺の回収数は少なかった。

■改善策=仮説

  • 説明員のポジション数が少なすぎたのではないか。
  • 説明員応対カードのヒアリング項目が多すぎたのではないか。
  • トークスクリプトを用意し接客時間の短縮を図るべきではないか。
  • 社外の人員を駆使し名刺を獲得すべきではないか。

 上記のように『○□○□○□ではないか』と考えると仮設は立てやすい。

​5.実施事項の提示

ご存知の通り、展示会は単に会期中だけが活動ではない。会期中もさることながら、会期前、会期後に対して、何をしていきたいかを提示すべきだ。協力すべき提案事項に多いのが、レイアウトとブースデザインのみのニーズだ。しかし担当者に対して、ヒアリングを重ねると会期前後のアプローチ、そして会期中の運営にも課題が多い場合が多い。やはり、課題を抽出していくことが重要であり、課題に対するソリューションを求めるか否かを提示することも重要だ。

6.予算の提示

サポートする側にとって、一番分かりにくいのが予算の割振りだ。どこまでの範囲かが明確になっていない上に、すべてグロスで予算を提示されるケースは少なくない。ベストは運営費、装飾費、集客費、アフターフォロー費くらいでの予算配分をしておくのが望ましい。過去に事例が無ければ、運営2:装飾4:集客1:アフター3くらいの予算配分が丁度良いかもしれない。参考にしていただきたい。

7.評価の検討

サポートする企業の選定に際して、評価の重点度を予め決定しておくほうが良い。どうしても評価する際に多くの人が関わるため、一番分かりやすいところ(ブースデザイン、金額)に焦点が行きやすい。そこで、以下の表のように、大凡の考え方としては、やはりオリエンに対する適合性がマッチしているかどうかが重要だ。ただ、適合しているだけでなく、もう少し独自性が欲しいのであれば、その項目に対して重点値を割り振れるようにすれば良い。何が課題かがわかっていれば、その課題に対して重点度を付けることで、評価がブレることは少なくなるだろう。

目標、現状、課題、解決、実施、予算、評価。
以上、7つに対して、適切に提示することでオリエンテーションは共有され、パートナーからはブレることなく質の高い提案があがってくるはずだ。今回、展示会向けのオリエンテーションシートのテンプレートを用意した。ぜひ活用していただきたい。
オリエンテーションシートダウンロード

まとめ

展示会は毎年行われるケースが高く、ついルーチンワークになりがちだが、やはり毎回オリエンテーションシートを作成することをおすすめする。出展者側の担当者が多忙を極めるのは十分理解するが、オリエンテーションに対する時間をとっていただきたい。充実したオリエンテーション資料さえあれば、振り返りもできる。そしてそのギャップを分析もできる。つまり、次回の展示会をよりよくするための足がかりにもなる。展示会の成果が出ないと嘆く前に是非、オリエンテーションシートに精を出していただくことが成功へと導くだろう。

  • 垣内 良太/ワンマーケティング株式会社 中堅印刷会社にて様々な業界のマーケティング業務を経験後、2002年株式会社たかアート(現ワンマーケティング株式会社)に入社。ブランディング、営業ツール、展示会、WEBなどの企画、制作、実施の経験を活かし、現在は、BtoB企業向けにマーケティングに関するコンサルティングと実践型の顧客創造を支援している。

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