(2014年6月26日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)
中国政府は中国企業による対外投資を促進する活動で、十数カ所のフランスのブドウ園を含め、予想外のものを手に入れた。
中国審計署(会計検査院に相当)は中国の国会にあたる全国人民代表大会に提出した年次報告書で、中国北東部の港湾都市、大連に本拠を構える企業2社が、技術獲得のために割り当てられた補助金2億6800万元(4300万ドル)をフランスの14のワイン醸造所に費やしたと指摘した。
南極探検の半分がフランスとチリ
審計署は他の不正も発見しており、国の地質学者らが表向きはシェールガスブームを調査するために北米に行きながらラスベガスに寄り道していたケースもあった。また、中国国家海洋局に所属する職員のグループは、南極探検に割り振られていた時間の半分を、フランスと、それよりは妥当なチリで過ごしたという。
年次報告書は全人代の日程表のハイライトだ。報告書は決まって、数十人の政府高官、いわゆるトラを捕まえた真剣な汚職撲滅運動のさなかに面白い不正の事例を明らかにする。
最新の調査は、政府の予算支出の3分の1、額にして1540億元を担う400近い政府機関を対象とした。報告書は約1100人の職員が絡む300件以上の「法律と規律の重大な違反行為」をリストアップしており、前回の報告書の175件から増えた。
だが、審計署は明らかになった不正の合計額を公表せず、関係した職員の名前も公表しなかった。
報告書で批判された企業や組織には、政府の綿花備蓄を管理する中国石油天然気集団(CNPC)や、5つ星ホテルで87回会合を開いた交通運輸部が含まれていた。
「このような状況は国営企業ではかなり一般的だ」。北京師範大学コーポレートガバナンスセンターの高明華主任はこう言う。「政府は往々にして不要で容易に悪用される支援を提供している。政府はもっと投資家のように行動する必要がある」
大連実徳(大連海昌)集団と鋭陽(大連)投資管理は25日、報告書のことは知らないと述べ、フランスのブドウ園への投資疑惑についてコメントを拒んだ。
審計署は先週、別の報告書で、中国投資(CIC)の管理の不備、職務怠慢などを指摘した。世界第4位の大手政府系ファンドであるCICは6500億ドルの運用資産を持ち、ポートフォリオのほぼ3分の1を海外に投資している。
ブラックストーンやモルガン・スタンレーといった企業に投資しているCICはその後、農業と世界的な食糧供給により大きな重点を置くと述べた。
審計署は中国最大の経済問題の1つである地方政府の債務も監視している。地方政府が積み上げた債務の山は2013年6月時点で18兆元と推計されている。審計署は監査対象の19の省と市の債務が3月までの9カ月間でさらに4%増加したと述べた。