夏に向けてダイエット中のもぶ太です。それは置いといて、がん保険でトップの座に君臨していた『がんベスト・ゴールド(AIG富士生命)』が、6月いっぱいで売り止めになりますね。
※公式サイトより
この保険、診断給付金だけで加入できるほか、上皮内新生物(軽いがん)でも全額給付され、おまけに以後の保険料は払込が免除される設計でした。でも、やっぱり採算が取れなかったのでしょう。7月から出る新商品は値上がりするうえ、特約を付けないと悪性新生物(重いがん)しか保障しない設計に改悪されるみたいです。
改悪…なんて言っちゃいましたが、がんベスト・ゴールドが先を行き過ぎてすっ転んだだけで、がん保険は本来こんなものなのかもしれません。ただ、がんが見つかるのは大抵軽いがんのときでしょうから、だとしたらどの商品も医療の実態に即していない気がしますが……。先日もこんな記事が話題になったばかりですし。
被害者続出、いったいどういうことだ!「がん保険」がんになってもカネは出ない ——2人に1人が「がん」になる時代に、保険会社が儲かるカラクリがわかった | 賢者の知恵 | 現代ビジネス [講談社]
ちょっと気になったので、各社の保障内容をざっと調べてみました。
診断給付金が充実しているがん保険は?
がん治療は通院のみで済むケースが増えているので、商品の目玉はがんと診断確定された時点で給付される診断給付(一時)金です。軽いがんでもしっかり保障してくれるか、再発したときの使い勝手は良いか、そのあたりを調べてまとめてみました。
品名 | 軽微がんと悪性がんの保障差 | 回数 | 期間 | 保険料(※) | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
アフラック / がん保険Days | 10分の1 | 1回 | - | 2209円 | |
メットライフアリコ / ガン保険 (複数回プラン) | 2分の1 | 無制限 | 2年毎 | 2538円 | 2回目以降は入院を伴うことが給付条件 |
ソニー生命 / がん保険 | 悪性がんのみ | 1回 | - | ネット上で試算できず | |
セコム損保 / メディコム | 減額なし | 無制限 | 3年毎 | 1430円 | 定期型 |
SBI損保 / がん保険(自由診療タイプ) | 減額なし | 無制限 | 2年毎 | 940円 | 定期型。初回のがんが再発した場合は2年後でも補償対象外 |
アクサダイレクト / カチッと終身がん | 減額なし | 1回 | - | 1256円 | 見積もりは死亡保険金100万円の場合 |
NSKJひまわり生命 / 勇気のお守り | 減額なし | 無制限 | 2年毎 | 2882円 | 通院保障が基本保障に含まれている |
三井住友あいおい生命 / &LIFF新ガン保険α | 減額なし | 無制限 | 2年毎 | 4237円 | 診断給付金は特約。2回目以降は入院を伴うことが給付条件。見積もりはその他の特約込み |
東京海上あんしん生命 / がん治療支援保険 | 減額なし | 無制限 | 2年毎 | 2691円 | |
チューリッヒ生命 / ガン保険Plus+ | 減額なし | 無制限 | 2年毎 | ネット上で試算できず | 上皮内新生物で保障されるのは更新期間前後(10年)の1回のみ |
アメリカン・ホームダイレクト /みんなのほすピタる ガン 一時金タイプ | 5分の1 | 無制限 | 2年毎 | 1326円 | 診断一時金のみで加入できる |
オリックス生命 / がん保険Believe[ビリーブ] | 減額なし | 1回 | - | 2580円 | |
※基本的に30歳男、入院給付日額1万円、診断給付金100万円、先進医療特約ありで試算しましたが、各社により条件が異なることもあります。詳細はご自身でお調べください。 |
やっぱり選択肢は少ない
軽微がんでも減額なしで保障してくれるがん保険が結構あることに驚きです。しかし、回数無制限で、なおかつ追加の給付条件(入院を伴う等)がない商品は、『メディコム(セコム)』『勇気のお守り(NSJKひまわり生命)』『がん治療支援保険(東京あんしん生命)』のたった3つでした。
ただ、回数無制限といってもしっかり「2年に1回」の縛りがある点に注目してください。メディコムは3年になっていますね。ここから読み取れることは、がんが再発するなら2年以内の可能性が非常に高いということです。
だからこそ、初回にまとまったお金を全額受け取れる保険を選ぶべきだと思います。最悪、転移・再発しても、軽微がんの治療費は50万円もあれば十分でしょうし、余った診断一時金で穴埋めできるでしょう(ちゃんと残しておきましょうね)。
治療費がいくらになるかは想像が付きにくいですが、2011年にアフラックが行ったアンケートでは、悪性がん・良性がん含めて「50万円程度」と答えた人が最も多い結果になりました。ちょっと余談ですが、がんになる前は「300万円くらいかかるだろう」と予想していた人が一番多く、50万円と予想した人はほとんどいなかったのに、蓋を開ければほぼ真逆になっていたのが面白いです。
まとめ
今回ピックアップしたなかでは、減額なし、回数無制限、2年に1度の給付条件を満たす『勇気のお守り(NSJKひまわり生命)』、『がん治療支援保険(東京あんしん生命)』のどちらかなら、特に“被害者”にはならないと思います。
欲を言うなら、これらが『がんベスト・ゴールド』のように、診断一時金だけで入れたらいいですね。冒頭で触れたとおり、最近はがんになっても入院するとは限らないので、入院給付金の保険料を削りたいです。医療保険に加入していたら入院はそっちからおりますし。
その意味では、アメリカン・ホームダイレクト の『みんなのほすピタる ガン 一時金タイプ』に期待したいのですが、軽微がんだと1/5じゃかなり頼りないな・・・(T_T)。