イラクのクルド人勢力、来年中に原油輸出を8倍に=資源相
[アルビル(イラク) 25日 ロイター] - イラク北部クルド人自治区のハウラミ天然資源相は25日、クルド人勢力が北部の主要油田都市キルクークを掌握したことを受け、2015年末までに原油輸出量を8倍に拡大する計画を明らかにした。
同相はロイターとのインタビューで「2015年末までにキルクークも含め、日量100万バレルの原油輸出を目指す。憲法の下で中央政府と協力し、中央政府はキルクークからの輸出のうちしかるべき分を受けとる」と述べた。
中央政府は、クルド人による原油輸出は憲法違反として強硬に反対している。
輸出が目標水準に達すれば、中央政府が原油収入の一部についてクルド人に支払いを求めることになる可能性もあり、国内の勢力図が逆転する。
ハウラミ天然資源相は、モスル陥落でイラクは大きく変わったと指摘。原油の権益についても新たな取り決めが必要だとの考えを示唆した。
同相は「資源も収入も共有されなければならない。モスル(陥落)前のイラクは消滅し、新たな現実が生じた。われわれは、中央集権化と脅迫を望む一部の政府当局者の指図は受けない。権力と収入の共有に基づく本当の連邦制度が必要となっている」と述べた。
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