25日放送の「スーパーニュースアンカー」(関西テレビ)で、独立総合研究所社長で作家の青山繁晴氏が、20日に総理官邸のホームページに公開された河野談話の検証結果の報告書について「報告書の真意は朴槿恵大統領の封じ込めである」と解説した。

青山氏は冒頭で韓国にとって河野談話は、それに基づいて日本を批判もしくは日本と交渉するための材料であると説明した。

続いてそのような材料となっている河野談話を、なぜ日本は見直しをしないと言っているにも関わらず検証したのかという疑問を投げかけた後、河野談話の検証結果の報告書から要点となる部分を引用し、報告書の意図を読み解いていった。

報告書の大筋は慰安婦問題の事実関係を検証したものではなく、韓国は何を要望し日本はそれをどう妥協し、それが河野談話となり、そして基金になったのかという経緯を検証したものであると説明。

青山氏は、韓国政府の当時の背景が読み取れる部分として報告書の慰安婦の『強制性』という点をとりあげた。

日本側は旧日本軍による強制は一部軍又は政府官憲の関与はあったとしたが、韓国側から『一部に強制性』があったというような限定的表現が使われれば大騒ぎとなると修正を求める意見が出た。これに対し、石原信雄官房副長官の「慰安婦全体について『強制性』があったとは絶対に言えない」との発言を取り上げる。

青山氏は、この背景には韓国の慰安婦に対する事実認識を求めるものではなく、強硬な団体などの意見に困っているので世論を恐れてこういう風にしてくださいと頼んだということが書いてあると述べた。

また、報告書には民間や官憲による強制があったと書かれているが、官憲とは当時は日韓併合時代の警察官はほとんどが朝鮮民族で、民間の汚いやり方に加担したことが書かれているとし「日本軍の兵士がそれをやったとは一切書かれていない」と、強調した。

双方の妥協が成立し、民間から基金を募集して慰安婦に一人頭500万円を支払うことが決まると、韓国内では元慰安婦7名や、新たに『基金』事業に申請しようとする元慰安婦に対するハラスメントが始まったという。その内容はカネを受け取ったら売春婦であったことを認める行為だ、日本の汚いカネを受け取らないように迫るというもの。

ところが当時の総理の署名入りの『お詫びの手紙』も添えた基金を受け取った元慰安婦たちは声をあげて泣き、韓国国内の状況とは裏腹に評価を得たと記されていると説明した。

青山氏は、河野談話の検証の意図は、盧泰愚(ノ・テウ)大統領、金泳三(キム・ヨンサム)大統領いずれも日韓のやりとりを了解し評価し、さらに金泳三大統領は「補償金はいらない」と明言したことを示すことで、朴政権がこれ以上の動きがないよう「封じ込め」が目的であるとまとめた。

最後に、日本が河野談話を見直さない理由をオバマ大統領の『現状維持』外交に依存していると指摘した。

慰安婦問題を巡る日韓間のやりとりの経緯〜河野談話作成からアジア女性基金まで〜(PDFファイル)

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