旅客船沈没:LA領事館が追悼所を強制撤去、韓国系反発

旅客船沈没:LA領事館が追悼所を強制撤去、韓国系反発

 旅客船「セウォル号」沈没事故の犠牲者を追悼するために米国の韓国系住民が作った追悼所を米ロサンゼルス総領事館(キム・ヒョンミョン総領事)が強制撤去していたことが分かり、波紋が広がっている。

 ロサンゼルス総領事館前に設けられた追悼所は、沈没事故発生4日後の4月20日から同地域の韓国系の人々が自主的に作ったもので、行方不明者の発見を祈る黄色いリボンや犠牲者のための焼香台があり、その上には悲しみやいたわり、救うことができなかったことに対する怒りなどの言葉が書かれていた。

 これまで1万人以上の韓国系の人々や、ほかの人種を含む米国人らが訪れ、犠牲者を追悼してきただけでなく、胸を痛める人々のきずなを示す象徴的な場所だった。

 この追悼所が20日に総領事館により強制撤去されたことを知った韓国系の人々は強く反発し、24日に総領事館へ抗議に行った。「ロサンゼルス・セウォル号追悼所チーム」は「米国在住の韓国系の人々が自主的に設けた追悼所を、同胞の安全と権益を守るべき総領事館が無断で撤去するとは、反民主主義的で反人権的な行為にほかならない」と非難した。

 しかも、今回の強制撤去は韓国外交部(省に相当)第1次官の訪米や「第1回6・25(朝鮮戦争)参戦国感謝キャンペーン」のためだという話が広まり、総領事館に対し批判の声が高まっている。

 ロサンゼルス・セウォル号追悼所設置を最初に提案し、65日間にわたり守ってきたナム・グァンウさんをはじめとする韓国系の人々はこの日、総領事側に面会を要請したが、パン・ギソン副総領事が代わりに対応した。総領事館側は「祈願所の撤去をめぐり何度も説明し、撤去当日にも通報したので『強制撤去』ではない。セウォル号に対する胸の痛みには共感するが、いつまでもこのままではいられない。整理すべき時が来たと思う」と述べ、「これまでセウォル号について、政治的見解が異なる人々から抗議を受けるなど、総領事館も対応に苦慮してきた。外交部第1次官の米国公式訪問や6・25戦争関連行事とは無関係だ」と強調した。

 しかし、韓国系の人々は「一方的に電話で撤去を通知すれば強制撤去ではないと言えるのか。セウォル号事故では行方不明者11人がまだ発見されていない。事故原因究明や責任者の処罰が進んでいない状況で強制撤去したのは、国民や同胞たちの記憶の中からセウォル号を消し去ろうとしているからだ」と反発した。

ニューヨーク= ノ・チャンヒョン特派員
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