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「食品ロス」対策の現状
(2014年6月26日午後9時24分)
日本人は毎日、おにぎり1〜2個を捨てている!? 実はこの数字、食べられるのに廃棄されている食品、いわゆる「食品ロス」から試算したもので、日本国内で年間約500万〜800万トン(平成22年度推計/農林水産省)にも上る。これは、世界全体の食料援助量の2倍にあたり、日本の米収穫量に匹敵するという。
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そんな状況を打破するために、農林水産省、消費者庁、内閣府、文部科学省など、関係6府省庁がタッグを組み「食品ロス削減国民運動(NO-FOODLOSS プロジェクト)」という取り組みを始めている。消費者庁消費者政策課の長岡紘史氏によると、「実は、食品ロスの約半分は家庭から出ています。事業者に加えて、消費段階での食品ロスを抑えるのも目的です」とのこと。消費段階の食品ロスとは、平たく言えば食べ残しと手つかずのままで捨てられてしまう食品だ。
「データを取ると、特に食べ残しが多いのが宴会だということがわかりました。そこで、長野県松本市では、『宴会の最初30分と最後10分は席について料理を味わいましょう』と書かれたコースターを飲食店に配って、食べ残しを減らす取り組みを行っているんです。また、お客さんに対しては、予約時に店側と密なコミュニケーションを取り、参加者の年齢や性別、好みに合わせて料理を出してもらうことで食べ残しを減らすことも推奨しています」(長岡さん)
実は、消費段階での食べ残しを減らす、というキャンペーンは、多くの自治体やNPO法人などが取り組んでいる。自治体では、食材の廃棄量を少なくするレシピ作成や食育指導など、また、NPO法人では、賞味期限が間近となった食品や食品衛生上問題がない規格外品を社会福祉団体等に提供する“フードバンク活動”や食べ残しを持ち帰るドギーバッグ普及活動などが広がりを見せている。
もちろん、事業者側でも、食品ロスの削減についての取り組みは進んでいる。そのなかでも特に話題になったのが、“3分の1ルール”の見直しだ。
「日本では、加工食品に3分の1ルールと呼ばれる商習慣があります。具体的に説明すると、賞味期限が6カ月だとしたら、これを3等分して、メーカーが卸や小売店に納品できるのは製造日から2カ月までの製品。その後、店頭で販売できるのは製造から4カ月までの製品。それを過ぎると、賞味期限まで2カ月残っていても、店頭から撤去、廃棄するという仕組みです」(同)
米国では2分の1、英国では4分の3が一般的といわれており、日本の消費者が鮮度にこだわる表れでもあるのだとか。ただし、ここでも変化が見られており、現在は、小売り大手にのなかでも、この期間を見直そう、という取り組みが広がりつつあり、実証実験も始まっているという。
EUでは、2014年を「ヨーロッパ反食品廃棄物年」として、廃棄を避けるための期限表示と包装の適正化、フードバンク活動の優遇の啓発を行うとしている。また、食べ切れないほどの料理でもてなす中国でも、料理を残さない「光盤運動」が叫ばれている。
世界中で広がる「食品ロス」削減の動き。僕らも、食べ物を残さない、陳列棚の後ろから賞味期限の新しい商品を取らない、などで一役買うようにしたい。
(笹林司)
(R25編集部)
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※コラムの内容は、フリーマガジンR25およびweb R25から一部抜粋したものです
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