格安航空会社(LCC)を中心に、パイロットが不足している問題で、国土交通省は年齢制限を引き上げる対策をまとめた。27日の有識者検討会で提案する。上限を現在の64歳から1~2年程度延ばし、「高齢パイロット」を活用する。

 パイロットは年齢が高くなるにつれ、判断力の衰えや病気のリスクが高まるため、国交省の通達で乗務できる年齢が制限されている。かつては59歳が上限だったが、1996年に62歳、2004年に64歳に引き上げられた。60歳以上の「加齢乗員」には、通常の身体検査に加え、不整脈や脳梗塞(こうそく)など7項目の追加検査が義務づけられている。

 過去の引き上げで「健康面で安全に影響が出たことはなかった」(国交省幹部)といい、さらなる引き上げが可能と判断した。安全性を保つため、医師らを交えて加齢乗員の身体検査のあり方を検討し、来年度からの引き上げをめざす。

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