10_thecreatorsproject_ai-weiwei-exhibition-evidence-berlin-at-martin-gropius-bau01

中国人アーティスト、アイ・ウェイウェイ過去最大の個展がベルリンで開催中


すべての画像はMartin-Gropius-Bauの承諾による


世界が注目するアーティスト、活動家アイ・ウェイウェイ

伝統的なベルリンの美術館 Martin-Gropius-Bau にて、2014年4月3日から7月7日まで中国人アーティスト、アイ・ウェイウェイの個展<Evidence>が開催されている。
アイ・ウェイウェイは北京で生まれ、1980年代からアーティストとして活動を開始。その前衛的な活動内容から、中国の制圧を受けたこともある。アメリカ滞在を経て、北京へ戻るが、2011年に北京空港で突然拘束された。中国のこの行動に対して、欧米諸国では釈放を要求した。
このように、アーティストであると同時に活動家でもある彼の活動は、常に世界中から注目を集めている。


政治的テーマをはらんだ作品

会場は3,000㎡、計18の部屋から成る。そのうちのひと部屋は、中国明王朝時代の6,000個の木製スツールが床を覆い尽くしている(『Stools』、2014年)。また、尖閣諸島をテーマにした作品もあり、政治的な主題を含んだ展示内容となっている。
この展覧会は、彼の過去最大の個展で、初展示となる多数の作品が並んでいる。
世界で最重要人物の一人として語られるアーティストの個展として、期待を裏切らない内容だろう。

アイ・ウェイウェイは、これまでの偉業と苦難にも関わらず、ユーモアを持ち続けている人物だ。それは彼が喜んで出演した、彼の生きざまに迫るドキュメンタリー映画『アイ・ウェイウェイは謝らない』(2013年11月)のなかでも物語っている。

以下、展覧会のプレス用写真より

10_thecreatorsproject_ai-weiwei-exhibition-evidence-berlin-at-martin-gropius-bau02 10_thecreatorsproject_ai-weiwei-exhibition-evidence-berlin-at-martin-gropius-bau03

『スツール』、2014


10_thecreatorsproject_ai-weiwei-exhibition-evidence-berlin-at-martin-gropius-bau04

『漢朝の花瓶、Auto Paint』、2014


10_thecreatorsproject_ai-weiwei-exhibition-evidence-berlin-at-martin-gropius-bau05


アイ・ウェイウェイ、プレスリリースより:
「Martin-Gropius-Bauに展示される作品の中に、十二支の彫像の素晴らしい複製品(『十二支』、2011年)が含まれる。オリジナルは青銅製で、1750年頃にできたと思われており、ヨーロッパ人のカスティリオーネとベノアによるデザインを元に、中国の職人が制作したものだ。彫像は水時計の一部で、中国皇帝の依頼により、夏の宮殿の庭園に設置された。しかし、第2次アヘン戦争後の1860年に、その庭園は中国をアヘン貿易に参加させるため北京を占領したイギリスとフランスの兵士によって荒らされ、放火された。そして、これら十二支の彫像のいくつかは、ヨーロッパへ渡った。その彫像が、2008年にパリでイヴ・サンローランが開いたアートコレクションオークションに出品された際、中国文化圏では大騒動となった。だがアイ・ウェイウェイは、この彫像群は中国の国宝であるとする中国政府の方針を認めず、むしろ全世界に帰属するものだと主張している。」

10_thecreatorsproject_ai-weiwei-exhibition-evidence-berlin-at-martin-gropius-bau06

『Diaoyu Islands(尖閣諸島)』、2014


10_thecreatorsproject_ai-weiwei-exhibition-evidence-berlin-at-martin-gropius-bau07

『Souvenir from Shanghai』、2014


09_AiWeiwei_VeryYao.jpg

『Very Yao』


<Evidence>は、ベルリンの Martin-Gropius-Bau にて2014年4月3日に開幕し、7月7日まで公開されている。この壮大な展覧会についての詳細はこちらから。

アイ・ウェイウェイがオラファー・エリアソン(※1)とコラボした過去記事でも多くの作品を紹介↓↓
Make Your Mark On The Moon With Ai Weiwei And Olafur Eliasson

Edited by Yuki Kubota